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short 25





#ルキジャン
(リクエストより、赤面ルキーノ。結局ルキジャンになりました(笑))























 その時間帯に目覚めたのは、自身の隣で寝ていた筈のそいつが急に動いた気配がしたからだ。ルキーノはそっと瞼を開けると、起きかけのぼんやりと視界が定まらない中、目を開いたジャンの横顔が視界に映り、その名を紡ぐ。自分が起きていた事に驚いたのか、瞳を見開いてそいつはこちらを見た。

「ルキーノ、起きてたのか?」
「今起きた。」
「わり、起しちまった?」
「いや、良い。それより、どうした?」

ジャンがゆったりとした動作でその身体を起こす。もぞもぞとその場を動くのを、ルキーノは訝しげに彼へにそのローズピンクの瞳を向け、自身もその身体を起き上がらせた。先ほどまであんなに激しい運動をした後なのに、意外に見ために反してこいつタフなんじゃないか、もう一ラウンドくらいはいけたか?とそんなことを思ったが、それを口にすればジャンに変態ライオンと罵られるのが目に見えていたので、口を噤む。そうした理由は、目の前のジャンの様子が少しだけ可笑しいと思ったからであって、こんな夜中に目を覚まして悩む程俺に言いにくい事でもあるのだろうかと思ったからだった。自然とルキーノの眉間に皺が寄り、そんな状態のジャンを見つめる。

「あのさ。」
「ん?」
「ルキーノ、ちょい俺に愛の言葉囁いてみ?」
「・・・はぁ?」

ところが、ジャンが口走った言葉はルキーノの思考の斜め上をいった。突然なんだ?とか、何故急にそんなことを?と様々な思いがルキーノの頭の中をぐるぐるするが、暫くしてその思考回路が落ち着いてくると冷静な判断力も徐々に回復してくる。ルキーノはフッと苦笑を零して、ジャンの金色の髪に手を伸ばすとくしゃりとかきあげた。

「いきなりどうした?俺の気持ちはさっき十分解らせてやっただろ。それとも足りなかったか?」
「そりゃ存分にたっぷりとしつこいくらいにして貰いましたけどね。」

ルキーノがニヤリと口角を上げると、ジャンも負けじと皮肉で返してくる。

「まぁ、身体ではもう十分だけどな。実は俺気付いたことがあってさ。どっかのライオンさんから、そういや直接的には聞いたこと無いんじゃねーかってさ。」
「・・そうだったか?」
「あぁ、そうだよ。ちょいとそりゃ頂けないよな。俺は結構あんたに言ってるのにアンタが言わないのは不公平だ。てな訳で言ってみ?」
「どういう訳だそれは。たく、不公平って、あのな・・・そういうのは言わせるもんじゃね・・」
「ごたくは良いから言えよ、おら。」

お前はどっかのチンピラかと言いたくなるような口調だが、最近益々ボスとしての威厳が出てきたのは良いことだ。けどこういうとこまで押しが強くならなくても良いだろうに。どんどんこいつに勝てなくなってきている自分にルキーノはため息をつきたくなった。

「何、それとも恥ずかしい?いやだーかぁーいー。ルキーノの照れ屋さん。」
「・・・ますます性格がよろしくなってきているようで。部下の私も嬉しく思います、ボス。」
「褒め言葉として受け取っとくぜ、ドン・グレゴレッティー?」

棒台詞で意趣返してはみたものの、あっけなく流された。本当こいつますます俺の扱いが上手くなってきたというか何というか。ルキーノはフゥーと長い息をつくと、腕をジャンへと回しその身体をぎゅっと抱きしめる。たく、この俺にこういう事をさせる気にさせるのは、お前くらいなものだなと薄く笑った。ジャンの琥珀の瞳を真っ直ぐと見つめて、彼の金色の髪に触れて自身の方へと引き寄せる。驚いた表情を浮かべているジャンに目を細め、ゆったりとした動作で唇に自身のそれを重ねた。「ん」とジャンから漏れた甘ったるい声に、ルキーノもその声に欲がわいて、口づけをますます深くする。互いにハァーと息を零して、ルキーノはリップ音をたててジャンのものからそっと離した。

「好き、だ。ジャン。」

暫く見つめあってルキーノは自身に似合わず気恥ずかしい気分に陥り、「くそっ」と悪態をその口から吐き出すと、バッと勢いよくジャンからその身体を離した。その行動に驚いたのかジャンが困ったような表情をルキーノに向ける。

「あ?おいおい、ルキーノ?」
「ったく、こういう台詞は、真面目に言うと白々しく聞こえる。」
「へ?」

ジャンはルキーノが吐いた台詞に、ポカンとその瞳を丸くさせた。カッツォ、そんな目で俺を見るんじゃねーよと、ジャンに今の自身の顔を見られたく無くてルキーノはそっぽを向くと手で自身の顔を覆う。きっと多分今俺はレディーには決して見せられないようなような顔をしてるだろう。

「まさか、あんたマジで照れてんのか?冗談じゃなく?」
「・・・・俺はお前程素直に人間出来ちゃいないんだよ。」

愛の言葉なんてそれこそ今までも何度だって囁いてきた戯れの言葉ならいくらだって言える。けれどいざ真面目にそれを口にしようとすると、どうしたっていたたまれない気分になる。ジャンのように心の底から素直に好きだと言えれば良いのだろうが、今の自分にそれは出来そうに無かった。

「これで・・・満足か?」
「くくっ・・あぁ、十分。」
「笑うな。」
「だってアンタがさぁーもう、可愛くて可愛くて!ははっ!」
「わーらーうーなー。その口無理やり塞いでやろうか?」

口元をひきつかせてジャンの頬を引っ張ってやれば、ジャンは「いひゃいひゃい(痛い痛い)」と、抵抗の声をあげた。けれど未だに目は笑って、ルキーノの手から抜け出たジャンを憮然とした顔で睨む。そんなルキーノの様子にプッとまたその顔を破顔させて、心底嬉しそうにジャンは笑った。ジャンの様子にルキーノは呆れたが、それでもそんな姿を間近で見て、あぁ、やっぱりこいつにはかなわないなとルキーノはその顔を綻ばせていた。

「俺も、好きだぜルキーノ?」
「当たり前だ。」

ぐしゃりとジャンの髪の毛を照れ隠しに乱雑にかきまぜてやって、さてと俺の気持ちをまだ解ってないみたいだから、もっと感じさせてやると言ってジャンの声を無視してルキーノはその唇を今度は強引にふさいでやった。












恋愛時間
(こんなかっこわるい姿を見せるのはお前だからだ。)










END
(赤面ルキーノを考えた結果がこれ。本当にす・み・ま・せ・ん(スライディング土下座。)。そしてお待たせしてしまい申し訳ございませんでした!世の中のルキジャンのような萌える話がかけたら良いのに。短いですが、こんなもので宜しかったらどうぞ。)









あきゅろす。
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