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short 21




#ジャンルキ+ベル
(元拍手。可愛い馬鹿っプルなジャンルキを目指したら、とてつもなく恥ずかしいことになりました。)















 俺は悪くは無いと思う。挨拶周りをジャンと一緒にしているんだが、そのジャンがだ。不機嫌な顔を先程から隠しもせず、俺の隣を歩いてるもんだからいい加減こっちもうんざりしてくる。

「おい、ジャン。いい加減その顔やめろ。みっともない。」
「別にー、その顔ってどんな顔なのかなー俺わかんねー。」

はぁ?何言ってんのこの人というジャンの態度に流石のルキーノもヒクッと怒りに口元がひきつった。このやろう。こっちが下手に出てやってんのにその言い草は何なんだ。

「昨日は流石に疲れてたからセックス拒否っただけだろうが!何根に持ってやがる。」
「そういうアンタの態度が余計むかつくんだよ!何だよ、俺だけかよ!好きな奴に触りたいと思って何が悪いんだよ!」
「別にそんな事は言ってないだろう。ただ俺は加減も覚えろって言ってるんだ。」
「俺はずっとルキーノに触ってたいし、触りてーんだよ!愛し合ってんだから良いじゃねーか別に。」
「それとこれとは別だ、たく・・・お前は。」

フゥーと深く息をつくと、ルキーノはペシンとジャンの額にデコピンをかます。うん、これくらいで勘弁してやるか。

「いってー!いきなり何すんだよ!」
「これくらいで勘弁してやるって言ってるんだ。もう機嫌直せこの馬鹿。」

痛さのあまり涙目になったジャンにルキーノは笑ってやる。少しだけ大人げないかもしれないが、ジャンだっていつまでもグジグジと餓鬼みたいにだだこねてんだからおあいこだろう。

「くっそ・・頭きた。もういい解った。ルキーノにとって俺はそれだけの存在だったって事だな。」
「はぁ?お前何言って・・・」

プイっと自分から顔を背けたジャンにルキーノもカチンときた。

「今から仕事以外では、ぜってー俺ルキーノに近づかねー!お前が触って欲しいって言うまで触ってやるもんかよ。」
「あぁ?言うわけ無いだろそんな事。」
「どうだかー?数日後には俺に懇願してるかもしれないぜ?」
「この俺が?あり得ないな。むしろそれはお前の方じゃないのか?」

俺がこれだけお前との関係に妥協してやってるのに駄々こねられればこちらも、それなりに反発してしまうのは仕方ない、これは男のプライド云々の問題だった。

「ぜってー後悔するなよ?」
「勝手にしろ。」

二人そろってハッと笑って、そこから何とも大人げない勝負になった。それが一週間ほど前の話だ。






「ルキーノ、お前ジャンに何した?」
「あぁー何がだ?」

ベルナルドから出たジャンという名にピクンとルキーノの眉間に皺が寄った。温かいカフェオレが波立ったカップに口をつけながら、その質問にとぼけたようにルキーノは返答する。そんなルキーノの態度にハァーとベルナルドはため息をつくと、困ったようにその口元に苦笑を浮かべた。

「いやね、最近我らがカポが随分苛立っているようだったからね。真っ先に思いついた原因に直接お伺いを立ててみたんだが?」
「知るか。あいつが勝手に苛立ってるだけじゃないのかー?俺には関係無いな。」
「やれやれ、意地っ張りだなお前もジャンも。」
「・・ほっとけ。」

そう言いつつ、少しはルキーノも罰の悪い思いを抱いているのかその目線は定まっていない。プライドの高さもここまでくると困ったもんだなとベルナルドはその様子に少しだけ感慨深いものを見るようにして、成るほどねと呆れたようにその息をつく。やはりこの男のプライドを捻じ曲げるのは相当難しいぞジャン。と、つい数時間前のジャンとの会話をベルナルドは思い出した。

(ぜってールキーノが俺を求めてくるまで許してやんねー。)
(まぁまぁ、そう言うなジャン。あいつだってな、お前に抱かれる事は結構不満だと思うぞ?あぁいう男だしな。あいつにしては結構妥協してる方だ。これ以上あいつに何かを求めるのも酷なんじゃないか?)
(けどよーいつだって俺からってのも、やっぱ不安になるじゃんか。俺はルキーノにだって俺を求めて欲しいし、やっぱそういう言葉だって欲しくなるんだよ。これっておかしいか?)
(まぁ、解らなくも無い・・な)
(だろ!?だから俺はあいつが求めてくるまで、近づいてやらねーの!決めたの!)

くっそーその分仕事に勤しんでやる!と、普段以上に仕事に打ち込む姿は、喜ぶべき事なんだろうが、流石に精神的な方に偏りがあればこれまた、腹の探りあいをするべき場面で今のジャンの状態は危ういのも事実だ。その為にはこの男をどうにかしなきゃならないんだろうが、馬に蹴られたくは無いしなとベルナルドは自分にしては決断に困った。けれどジャンのあの頑固さを見ると、僅かではあるが後ろめたさを感じているルキーノをつついてやった方が良いのかもしれないなと、ベルナルドは思いその口を開いた。

「きっと、ジャンも不安なんだろう。いつも自分からでルキーノから求めてもらった事無いって、愚痴零してたぞ?」
「・・・別にそんな事は無いと思うが?」
「けど、ジャンはそう思ってると思うぞ。ルキーノ、お前ちゃんと言葉で態度でしめしてやっているか?」
「・・・・」

ルキーノは黙り込んで下を向き、その顔を覆った。思うとこでもあるのかウーンとルキーノらしからぬ声を漏らす。

「・・・かしだろう。」
「なに?」

暫くして小さくルキーノから聞こえたその言葉に、思わずベルナルドは驚きで眼を見張った。

「だから、恥ずかしい・・だろう。今でも精一杯なんだ。これ以上みっともない姿、あいつに見せられんだろうが。」

まさかこの男からこんな言葉が出るとは思わなかった。ポカンとベルナルドはそんなルキーノを見つめたが、やがてククっと肩を震わせ、次にはハハっと抑える事もなく、笑いだす。

「おい、ベルナルド。そこまで笑う事ないんじゃないのか?」
「いや、だがお前の口からそんな言葉が出るとは、恥ずかしいって・・恥ずかしいって・・今更か?」
「うるさい。今更だから恥ずかしいんだろうが。」
「別にジャンは気にし無いと思うが?むしろ喜びそうだが?」
「俺が気にするんだよ。」
「ふう、そんなものかね。・・・だ、そうだが、ジャン?」
「・・・あ!?」


ベルナルドが声をかけた先にジャンが佇んでいる。ルキーノがまさか今の聞いてたかと口にする前にだぁーとジャンがこちらへと突進してきて、ルキーノに思いっきり抱きついた。その衝撃でガタンとルキーノの身体がジャンと共に床へと転がる。

「っつ・・・おい、ジャン?いきなり何・・」
「みっともないとか、思わないからな俺は!」
「あぁー?」
「だから、ルキーノが俺に何を言ってもみっともないとか思わないって言ってんだよ。むしろ、超見てーし!」
「あのなぁ・・いきなり何を言い出すかと思えば・・」
「これ真剣に言ってんだけど?ルキーノは相手を求めるのがかっこわるいとか思ってんのかよ?」
「ジャン。」

ルキーノがそう言ってジャンの名前を呼ぶと、ニッとその口元に笑みを浮かべてジャンは笑い、ルキーノの頬へとその手を伸ばした。

「俺は思わねー。相手が好きだから好きって言って何が悪いんだよ。欲しいから欲しいって言って、誰かに迷惑とかかけんのか?」
「いや。」
「なら、お前だって同じだろ。別に俺はルキーノが無理難題言ったって呆れたりしないしさ。それに俺はルキーノの全部欲しいんだよ。これ我儘か?」
「・・いや。」
「なら、言えよルキーノ。」
「ジャン。」
「ほら、言えって。」

ルキーノはさ迷うように、その目線を動かすがジャンの真っ直ぐにルキーノを捕える目線に、ふとその口元に薄く笑みを浮かべた。

「全く意地張ってんのが、馬鹿らしいな。」
「まぁ、そこがアンタの可愛いとこなんだけど?」
「何言ってる。お前の方が可愛いだろうが。そんなに俺の言葉欲しいか?」
「あぁ、欲しい。すごく・・な。」
「くそっ・・この馬鹿。」

ルキーノはジャンにそう言葉を零し、自分の方へと引き寄せるとその唇に口づけた。

「こんなこと、お前じゃなきゃ許してない。」

これが今んとこ俺の最大級だなんて言ったら、お前は笑うか?
































「あのねぇー君たち。俺がいる事すっかり忘れてるだろ?」

『あ・・』












リスタート







END
(とてつもなく恥ずかしいです。)








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