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short 19




#ルキーノ+アルフレード+眼鏡な部下さん
(*バレンタインネタ・オリキャラ・捏造注意・ギャグっぽい・カッコイイキャラをお求めの方は回れ右。)





















 ルキーノの執務室にノックと共に入った途端、そこは甘ったるい臭いと花の香りが混ざった臭いが鼻腔を擽り、思わずウッとアルフレードはその口から声を漏らしてしまった。

「相変わらず毎年凄いな、この量は。店の連中から、か?」
「あぁ、まったくモテる男は辛いよな。」

そうおどけたように言って、肩をすくめたルキーノにアルフレードも可笑しげに口元をあげた。部屋の隅に山積みにされた花束や菓子類、・・あぁ、馬鹿高そうなワインもあるな、あれはと、いっそ感嘆にも値する数だ。これだけの量いったいどうやって消化するつもりなんだこいつはと、改めて疑問に思うほどだ。

「お前の事だから、お返しもきっちりするんだろう?」
「流石にな。貰っておいて何も送らないってのはマナーに反するだろう?」
「全部にか?よくやるな。」

呆れた声を口元から漏らしてアルフレードは、扉を後ろ手で閉めると、ルキーノが座っている机の前に足を進める。ふと彼の目の前に書類と共に、ちょこんと小さな箱がいくつも置かれ、その何個かは既に開けられているのがアルフレードの視界に入った。

「なんだ、もう菓子類は手をつけてるのか?」
「ん、あぁ。疲れた時には甘いもの、ってな。」
「太るぞ?」
「カーヴォロ、その分は働いて動けば良いんだよ。イタリア人はたいてい甘いもの好きなんだ、これくらいは見逃せ。」
「まぁ、俺は甘いものはあまり得意じゃないがな。」
「それはお前がおかしいんだ。」

口にクッキーをなえながら、ルキーノは眉間にしわを寄せる。いや、おかしいと言うがな、これは味覚と好みの問題だから仕方ないだろうと苦言を言いたくなったが、わざわざ反論するのも面倒だ。そうしてる内にルキーノは袋に詰められたクッキーの最後の一枚を完食し、もう一つ開けられいた、これは、チョコレートか?それが入った箱に手を伸ばしていた。それにアルフレードは思わず眉をひそめてしまう。

「・・・・言いたくないが、ルキーノ。」
「なんだ?」
「他の幹部よりお前が体重があるのは甘いものの食い過ぎだからなんじゃないか?」
「アァ?失礼だな。鍛えてるからに決まってるだろう。」

何言ってるんだお前は。と、ルキーノが言うと、だが昔はもう少し痩せてたぞとハイスクール時代のルキーノの姿を思い出しながらアルフレードが口にすると、いつの話だそれはと、不機嫌そうに声を低くする。

「それに、オルトラーニ幹部と比べると、だな。」
「あれはベルナルドがひょろすぎなんだ。一緒にするなよ。」

そう言葉を紡ぐルキーノに、ハイハイとアルフレードは相槌をうったものの、今のお前の食いっぷりを見れば思いたくなると、その肩をすくめ思わず苦い笑いを浮かべていた。

「とにかくそれ以上はやめておいた方が良いと思うぞ俺は。」
「・・・まったく、解った。」

いや、そんな不服そうな顔をされてもな。アルフレードが嘆息を零した途端、ルキーノが、「お」と声をあげた。アルフレードは釣られてルキーノと一緒の方向へ視線を向けると、ひとつだけ袋が開けられたチョコレートがある事に気づく。

「おい、アル。」
「なんだ?」

ルキーノにそう返答すると、ルキーノは最後の一枚と言ってニヤリと口許をあげ、それを口へとなえると、顔を近づけてくる。それにアルフレードはやれやれと薄く笑みを浮かべて、上体を前に乗り出すと、その差し出されたチョコレートの半分をかじってやった。

「・・結構うまいな。」
「だろう?」

甘さ控えめでこれなら俺も食える、そう口にしようとすると、ガタリとその時部屋の扉の方から物音が聞こえて、ルキーノとアルフレードは訝し気にそちらへと振り返った。

「フィリベルト、隊長に何を?」

そこへびゅおおぉーと背景に吹雪を吹かせ、にこやかな笑みを浮かべてこちらへと歩み寄ってきたそいつに、アルフレードはうわっ面倒な奴に見つかったと思わず視線を泳がせた。

「すみませんノックはしたのですが、応答がなかったので勝手に入りました。」
「いや、すまん気づかなかった。何か急用か?」
「はい、シニョーレ・オルトラーニから、追加書類を隊長にと。」
「またか?あいつは俺を過労死でもさせようとしてるのか、まったく。」

ふぅーと息をついて、ルキーノは書類に目線を移し、髪をかきあげながら隣の部屋に移動する。そんなルキーノに隠れて、そいつは、眼鏡の奥からその冷めた目でアルフレードへとその視線をよこした。

「で、言い訳はありますか?私から見ると隊長に何か良からぬ事をしてるように見えたのですが?」
「・・・あいつからチョコレートを貰っただけだ。他意はないぞ。」
「ほぉーわざわざ口からですか?」
「仕方ないだろう。昔からの癖だ。」
「昔馴染みを言い訳にするとは、貴方もたいがい性格が悪い。」
「お前にだけは言われたくはないな。」

そうアルフレードがぼやくと、そいつは何か言いましたか?とドスを効かせた声を漏らす。腐ってもマフィアだなこいつもとハハッと笑い、額に汗を浮かべる。いや俺もマフィアだがな。

「すまん、確認した。こいつをベルナルドに渡しといてくれないか?」
「はい。」

戻ってきたルキーノに先程の自分に向けていたものとはうってかわった柔らかな笑みをそいつは浮かべた。この変わり身の早さはいったい何なんだ、と何だか疲れた息をついたアルフレードにルキーノはどうした?と聞いてくるが、いや、何でもないとアルフレードは返答した。

「そうでした、隊長。」
「何だ?」

ルキーノがそいつの呼びかけに応えると、彼はその口許に笑みを浮かべてそれを口にした。

「隊長の好きなドルチェをご用意させてますが、後でお食べになられますか?」
「グラッツェ、いつもすまんな。」
「・・・・・・。」

まさかとは思うが、こいつがそういう風に誘うから、ルキーノの甘いもの好きに拍車がかかってるんじゃないだろうなと、アルフレードはその様子に頭を抱え、再びその口元からため息をついたのであった。






















貴方にドルチェを
(「いや、隊長が上機嫌でお食べになられるので、可愛いらしくて、つい。」「つい、じゃないだろうっ!自重しろ!」「いつも思うが、仲良いなお前ら。」)


















End
(捏造過ぎて笑えてくる。ルキーノが少しだけ体重あるのは、甘いものの食べ過ぎだったら可愛いよね、という話。)











あきゅろす。
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