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short 18




#ルキジャン
短いです。


















 来週シャーリーン達の墓参り行くつもりなんだが、一緒にくるか?ルキーノが書類と向き合って頭を捻っていたジャンに唐突にそう尋ねてきたから、思わずジャンは手に資料を持ったままポカンと呆けた目線をルキーノに向けてしまう。良いのかとジャンが尋ねると、何処が悪いんだ?とルキーノはあっさりと返してきたので嬉しくなって、ジャンは勿論行くと口許を和らげた。












「もう、そろそろ業者頼んで綺麗にさせた方が良いな。」

その小さなお墓の前にルキーノは跪いて、先程こちらに来る途中で買ってきた白い薔薇の花束をその前に置く。愛おしむように眼を細め、その男っぽい手を墓へと伸ばし優しく撫でた。そのルキーノの姿にジャンも柔らかく口許を上げ、ルキーノに合わせるように墓の前に膝を立てる。

「だな。アンタの奥さんと子供喜ぶぜー?こんな良い旦那がキレイキレイにしてくれるんだから。」
「ん、なんだー拗ねてんのか?」
「アホか。そんな事で嫉妬する程、俺は心狭くないっての。」
「なんだ残念だな。」
「なんだ、嫉妬・・・してほしかったのかよ?」
「んー、どうだろうな。」
「ア、はぐらかしたなこの野郎。」
「ハハッ」

ルキーノはそう言って笑うと、ジャンの金色の髪をくしゃりと撫でた。そして目を細め、ふわりとした笑みを浮かべる。あぁー奥さんたちの前で、そんな顔しちゃって−知らないぜ俺と、ルキーノのその表情に仕方ない奴だなとジャンは苦笑を零した。

「少しだけ・・な。この俺がこう思えるようになったってのは、凄い事なんだぜ?」
「こんなとこでそんな事言っちゃってー良いのか?奥さんたちの恨みなんか買いたくないぜ、俺は?」
「ちゃかすなよジャン。真面目に言ってるんだ俺は。」

会話の中で、真剣な目線をルキーノはジャンへと向ける。その眼に胸がざわめいた。

「ジャン。」

ルキーノは、スッとジャンの顔に自分のそれを近づけ、コツンと額をくっつける。柔らかな触れ合い。それはルキーノが向けた感謝とか愛だとか、言葉では簡単に表現出来ないそういったものが表れた行為にジャンは思えた。

「お前に出会えて、良かった。」

その言葉に、ジャンはクスリとその口許に笑みを浮かべると、ルキーノに応えるように「俺も」と、呟き、彼の頬に口づけを落とした。















笑って、触れ合う
(君への感謝と愛を胸に抱き。少しだけ胸は痛みで疼くけど。)















END
(短くて、すみません。悔やみだとか痛みだとかの感情も勿論あると思う。けどこんな風に笑いあって二人でお墓参りしてたら良いな、という私の願いです。悲しげな顔ばっかじゃ奥さんたちもきっと悲しいから。)








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