#グレゴレッティー家
(シャーリーン、アリーチェーねつ造注意)
穏やかな日だまりの中、その若い男女と小さな子供は街中を歩いていた。男が子供と手を繋ぎながらも、少しだけ不機嫌そうな、というよりも何処か拗ねたような様子で歩いている。
「ルキーノ。いつまでも子供みたいな顔しないでくれないかしら?折角のお買い物日和が台無しじゃないの。」
「・・・・」
「ねぇ、聞いてるの?」
「聞いてる。」
シャーリーンの言葉にルキーノはそう返すが、明らかにまだ拗ねてる。彼女はそんなルキーノにため息をついてから、そんなパパと反してご機嫌な娘のアリーチェに向かって微笑みを浮かべた。
「アリーチェだって、この服気に入ったわよね。」
「うん。私、これ可愛くて好きよ。」
その娘の言葉に、複雑そうにルキーノは眉をしかめた。何処か納得のいってないような表情だ。
「つったって、吊るしの服だろうが。あぁーくそ!アリーチェの服特注のオーダーメイドで頼む予定だったのに。」
「嫌よ。そんな高いお金かけて服作るなんて。」
「でも俺の娘だぞ?」
「私の娘でもあるわよ?」
「そりゃ、そうだが・・」
アリーチェに着せたい服とか一杯あったのにと、ため息をついて嘆くルキーノにクスリとシャーリーンは笑った。
「貴方って、そういう所本当に子供みたいね。学生時代からそうだったけど。」
「ほっとけ。」
自分の娘に可愛い服を着せたいと思って何が悪いと小さく呟く。けれどそんな風にぶつくさ文句を言いながらも、ルキーノは最終的には自分の言葉を尊重してくれる。あのCR:5の誇り高い幹部の一人が彼だなんて、普段の姿からは想像出来ない。こうしていると彼が普通の娘を溺愛する父親にしかシャーリーンには見えなかった。マフィアってだけでなんでこの人を皆恐れるのかしらと、根はこんなに優しい人なのにと出会った最初のころは思ったものだ。今でこそ彼のマフィアの顔を知っているから、最初の頃のような事は思わないけれど、シャリーンにとってはルキーノはやはりルキーノでしか無かった。本当に優しいんだからと、シャーリーンはクスリと苦笑を零すと、アリーチェの手を取って、三人で並んで手を繋ぐ。
「何も、全部オーダーメイドにしなくても良いって事よ。一張羅だけで十分だわ。貴方と違って私は普通の家の出なんだから。贅沢は良くないわ。」
「たく、お前は・・・」
まぁ、そんなんだから俺はお前に惚れたんだろうがなと、ルキーノは呆れ気味に肩をすくめた。
「本当、この娘がお嫁に行くなんて言い出したら、貴方どうするのかしらね。ねぇーアリーチェ?」
「・・・・・おれ以上の良い男じゃないと認めんぞ。」
貴方より良い男なんてそうそういないわよ、とシャーリーンが言うと、当たり前だいてたまるかとルキーノはニヤリと笑った。
陽だまり
(この日常が続けば良い。)
END
(娘溺愛なルキーノパパを書きたかっただけ。)
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