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シチュ 1




#ルキジャン











「なぁ、ルキーノ。」

ジャンがベットで寝そべっている男を呼びとめると、「ん」と、こちらを見ないまでも男は反応を返してくる。しかしそれでも寝の体制は崩さない男に、ジャンは「アラマ」と少しだけ驚きの声を漏らした。忙しく動き回るスケージュールの中で、二人してこの三日の間、午後はずっと今月の帳簿と睨めっこしていていた。それが先ほどやっと解放されたから、ルキーノもここにきてどっと疲れが来たのだろう。その声には何時もの覇気が無かった。まぁ、ルキーノってそういやデスクワーク嫌いだっつってたよな。デスクでの仕事よりも忙しく動き回る方が好きだと、不機嫌そうに、眉をしかめて宿題を残した子供のような顔をしたルキーノを思い出して、ジャンはおもわず苦笑を零す。普段は自分より大人ぶってる奴だから、そんな餓鬼っぽい事やられるとこいつが少し可愛く見える。こんな時、ジャンはそういや自分と二歳しか変わらないんだよなーと感慨深気に思うのだ。まぁどんな理由であれ、自分の声に反応が薄いのは、少しだけ不満ではあるけれども。しょうがねーなと、ジャンは嘆息を零して自分も身体を安める為に彼が寝ている隣に腰を下ろした。今夜はそのままおネンネかねと、寝具に手をかけた時、ふとジャンはある悪戯を思いつく。ニンマリとジャンはその口元を上げると、ルキーノにそっと自身の顔を寄せ、その唇に口付けを落とした。ピクンとそれに反応して、今まで閉じられていたローズピンクの瞳が開き、胡乱気にジャンを見る。

「ジャン。お前、何した?」
「ん、人工呼吸?なんか、お疲れのようだったから蘇生してやろうかと。」
「アホか、んなの人口呼吸とは言わねーんだよ。」
「でも、元気は出ただろ?俺の熱烈チューのお陰じゃね?」
「・・たく・・お前は・・」

俺を寝させん気かと、その長身の身体を起こすとグイっとジャンの身体を自身へと引きよせ、抱きとめる。ジャンはそんなルキーノに満足気に笑うと、今度は奴のおでこに軽く口ちづけた。

「俺を放って、サッサと寝ようとするからだ、このボケ。」
「まったく、我らがボスは本当に我がままだな。」

ジャンの言い草にルキーノは仕方なさそうに苦笑を零す。そして「後悔するなよ」とそう言葉を漏らして、ジャンの肩に顔を埋め、彼が組織の刺青を施した場所に唇を押しつけた。












人工呼吸










END


お題配布元
疾風迅雷






あきゅろす。
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