[携帯モード] [URL送信]

/etc
short 6




#ジャンルキ
誰のルートにも入って無い形でのパラレル。カップリングの順番に注意お願いします。























 机上の上の資料を前に黙々とジャンカルロは自身のサインを走らす。既にもうこの状態で、二時間弱だ。しかしいまだに終わる山積みの紙の束が無くなるは気配は無く、目の前の山はいっこうに減らない。いくらこれが今の自身の立場ーつまりこのマフィア一家のボスがやるべきの義務であると頭では解っているつもりでも、そろそろ我慢の限界だ。ジャンはチラリと眼の前のその赤髪の男を盗み見た。そいつは、座って何かの資料をチェックしながらも先ほどから離れる気配は無い。

(逃がすつもりは無いってか。)

自身の教育係でもあるそいつは、普段は気の良い付き合いやすいやつではあるのだが、こういう事に関しては甘い顔はしない。しかし本当に自分が限界なのだという時は、うまい具合に悟ってくれる奴でもあるので気遣ってはくれるし、フォローもしてくれる。正に飴と鞭で、そんなに悪い気分でも無いから自身もそれなりに頑張れてしまう。全く、本当俺の扱いが上手いことで。自身の相棒として、この男は本当に良いパートナーだとジャンは思っているし、おそらく相手もそう思ってくれている事はジャンも解っている。だが一つ欲を言うならば、だ。

「なぁ、ルキーノ。」
「何だ?」
「犯らせて。」
「アホか。」

こういう俺の想いも、組み取ってくれる奴ならもっと良いんだけどな。




ベクトル





何時ものように、すっぱりと切られてしまい、がっくりとジャンは肩を落とした。ルキーノの反応を予想はしていても、やっぱ少しへこむ。少しくらい相手してくれたって良いじゃねーかよ、カーヴォロ!

「ワーオ、何時も通り考える余地も無しですか、ルキーノさん。」
「何度も言ってるがな。俺は男は範疇外だ。」
「でも相棒に対して、そういう態度はねーじゃんよ。」
「相棒は相棒でも、それとこれとは話が別だ。ほら、馬鹿な事言ってねぇーで、とっととそれ終わらせちまえ。」

ルキーノは机に手をついて、持っていた紙の束でポンとジャンの頭を軽く叩く。と言っても、目の前の山のようなそれが、どうにも多すぎる現実に目を瞑りたくなるのだ。

「なら終わったら、何かご褒美でもくれるのけ?」
「俺がやれる範囲でならな。」
「んじゃ、ルキーノのキスくれね?」
「・・・。」
「無視かよ、おい。」
「いや、呆れてるだけだ。お前もこりないな。」

マジなんだけどな俺、ジャンは少し拗ねたようにソッポを向いた。そんなジャンの姿にルキーノは苦笑を零し、胸から煙草を取り出すと、それを自身へと差し出した。

「一服。するか?」
「・・・じゃあ貰う。」

あーあ、ルキーノのこういう所に絆されるんだよな俺と、ジャンは彼から差し出された箱から一本摘まむとそれを口になえた。ルキーノはジャンのそれに火を付けてから、自身もその口元に煙草をなえる。

「おい、ジャン。」
「あ、何だ・・」

よ。と言い切る前に一瞬の内にルキーノの顔が自身の間近に近付く。ルキーノのムスクの香水の匂いがふわりと香ったかと思うと、自身がなえてる煙草にルキーノがなえているそれを付けると、そのまま自身の火をさらっていった。心臓が飛び出るかと思った。

(無意識だとしたら、タチが悪過ぎだろ。)

自分の顔が赤くなっては無いだろうかと思ったが、本人は平然としているので自身の状態には気づいてないだろう、その事に少しほっとする。ルキーノが自身の言うことを冗談だと思っているなら、それはそれで良い。ただこの関係が壊れる事の方がジャンにとっては嫌だった。ルキーノの傍、相棒と言うこの位置が無くなってしまう事など考えたくもないからだ。ならば、いっそこのままで良いのだ。苦い思いが胸を過ぎ、ジャンは自身の煙草を想いを打ち消すように灰皿に押しつけた。








「くぁーおわったぁー!」
「ん、お疲れさん。」

ジャンが伸びをした所に、グシャリと自身の金髪の髪をかき混ぜるようにしてルキーノの手に撫でられる。
労わるようなそれに、ちょっぴり嬉しくなるのは仕方無いだろうがと、無理やり自身を納得させてみた。これぐらいの幸せくらい噛みしめたって罰は当たらない筈だ。

「あ−そうだジャン、こっち向け。」
「んだよ、まだ何か仕事でも・・」

 ー今度は時間が止まるかと思った。額に降ったその感触に、ジャンは驚きで固まる。また、あいつの香水の匂いが胸をざわめかせた。

「ご褒美・・欲しかったんだろ?美女じゃなくて悪いがな。これで我慢しとけ。」

そう少し、ルキーノは意地悪気に笑うと、俺はベルナルドに報告に行くから、お前はもう休んどけ。そう言い残して、ジャンの仕事部屋を出て行った。不覚な事に、その場からジャンは動く事が出来なかった。

「・・やっぱ、確信犯じゃねーのか?ルキーノの奴。」

ぐったりと机の上に突っ伏して、ジャンは未だ鳴りやまない心臓の音に溜息を付く。あれは、違う。勘違いするなよジャンカルロ。ボスへの敬愛のキスなんて、幹部会とかの時でもやるから、たいしたことないだろう。何、意識しちゃってんの俺ってば。それでも大きな音は、ドクンドクンと鳴りやまない。

(ルキーノは、相棒だ。)

そう何度も心の中で唱えて、自身を落ち着かせると、振り切るように自身の寝室へとジャンは足を向けた。
けれどその夜、ジャンはールキーノのネクタイを引っ張って、キスして、押し倒して、そしてぐちゃぐちゃに犯してる夢を見た。









END
(そんな夢、見たところで俺にどうしろって言うんだ?どうしようも無いだろ。)

初ジャンルキ。ルキーノお前ひどい。そんな思わせぶりな態度取るお兄さんに、振り回されてる片思いジャン。



あきゅろす。
無料HPエムペ!