短編
4
ガクガクと腰を揺すられながら、籐史は涎を流している。
体中に精液をこびりつかせ、肉棒を浅ましく勃たせているさまは、まるで誘っているようだ。
「やっ……ああ! うぅ、も、限界だ……い、あああ! や、やだぁ!」
決して素直に受け入れようとしなかった籐史も、これで十人目になる男の相手をする頃には、すっかり従順になっていた。
目は前のような鋭い光はなく、ぼんやりといていて、自分を犯している相手を見つめるばかり。
口から漏れるのは罵倒ではなく、快感にむせぶ声。
十人目の男はもう限界が近いのか、さらに激しく腰を打ちつけては興奮に鼻息を荒くしている。
西宮はその様子を、離れたところから楽しそうに見ていた。
「いい気味だな。そうやっていっつもイき顔晒してりゃあいいんだよ」
誰に聞かせるでもない独り言を漏らし、西宮は嬉しそうに顔を歪ませる。
一匹狼を気取って強さを誇示していた籐史は、今や男たちの慰み者としてその欲望を一身に受けているのだ。
「もう、出さないで! イっ、イきたく、ない……いや! ダメ、そんな、ムリだ! こんなの、っあああ!」
どうやら籐史はまた中に出されたようで、男に突き上げられた衝撃で自分も射精してしまった。
男は籐史から引き抜くと、しばらく籐史の肉棒を弄って遊んでいたが、それにも飽きたのか西宮に一言挨拶すると、そそくさと去って行った。
「えーっと全部で千円ね。もうちょい値段上げるか、人数呼べば良かったなぁ」
「四人で分けると一人二百五十円か……」
「ジュース代くらいにはなるだろ」
男たちは集まった百円硬貨を前に、ぶつぶつと相談事をしている。
しかし西宮はそれに加わらず、ぐったりとうなだれている籐史を見下ろしていた。
穴からは誰のものとも知れない精液をあふれさせ、顔はようやく辱めが終わったことに対する安堵と、先程の射精の余韻に浸り緩んでいる。
西宮は籐史の髪を掴んで、顔を上げさせた。上気した顔に、怯えた表情を浮かべる籐史は、なんともそそるものがあった。
一瞬悪い気を呼び起こされそうになった西宮だが、ハッとしてその考えを振り払う。
「ずいぶんエロい顔するようになったじゃねえか。その調子でまたよろしく頼むぜ」
驚く籐史だったが、すぐにあきらめたような顔をして、こくりとうなずいた。
今までの痴態を全て動画に撮られているため、逆らいようがなかったのだ。
西宮はその返事に気を良くし鼻歌を歌いながら、金のことで話し合いを続ける男たちの輪に加わった。
次はもっと大勢の相手をさせようか、西宮たちは下品な笑いを浮かべながら、不安げな表情の籐史を見ていた。
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