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短編
11
「お前、まだ巳堂に未練はあるか?」
「そんなのありません! 本当です。あんな奴のことすべて忘れてしまいたいくらいですよ」
「忘れたいってことは、あいつに抱かれた時のことはまだハッキリ覚えてるんだな? それだけじゃねえ、あいつにその気になってた時のことも、まだ忘れたわけじゃねえだろ」
 
僕は万代さんの言葉に小さくうなずいた。だってしょうがないことだ。巳堂から受けた仕打ちや屈辱なんて今すぐにでも忘れてしまいたいけど、それにはまだ時間がかかる。
 
万代さんだってそのことは理解してくれているはずだと思っていた。でも、万代さんは僕の肩を指が食い込むほど力強くつかみ、そのまま僕を畳の上へと押し倒した。
 
混乱する僕にのしかかりながら、万代さんは僕の顔を両側から大きな手で包み込むようにつかんだ。強引に釘づけにされた視線。異様な熱気が僕の意識までをも捕らえてくる。

「な、なんで、こんなことを……?」
「お前の中にたった1%でも巳堂の影があるのは我慢ならねえんだよ。このままじゃあいつに唾つけられたまんまなのと同じようなもんだ。だから、今すぐ俺が全部塗り潰してやる」
 
万代さんの手が僕のシャツにかかる。ボタンも外さず無理矢理引きちぎり、露わになった体を見るなり万代さんの表情が曇った。
 
そうだ、乳首のピアス。外すタイミングがなくてそのままだったんだ。まずいと思った時には万代さんの指が乱暴に僕の乳首をつまんでいた。

「なんだこれ、これもあの野郎につけられたのか?」
「あふっ、そ、そうです。んっ! あっ、ダメ、あんまり触らないでっ、ああ!」
「ふざけやがって。こんなもんつけてまで自分のもんだって言いてえのかあの野郎」
 
グニグニと乳首を潰すように強くつままれ、僕は声をはばかることなく喘いだ。でも、万代さんは目の前の僕を見ることはなく、巳堂への怒りで頭がいっぱいのようだった。
 
乱暴にピアスを外し、うずいて仕方ないそこを指先で弄びながら、万代さんは僕の耳元で囁く。

「ここには俺が新しいやつつけてやるよ。あのクソ野郎のピアスなんかよりずっといいもんをな」
「ひぎっ、あ、ありがとう、ございますっ……! んんっ!」
「そんなに気持ちいいのか? 乳首弄られて勃起するなんてお前も変態になっちまったな」
「ごめんなさい、うぅ、でも我慢できなくて……やっ!? ダ、ダメ……!」
 
万代さんは僕の穿いていたスラックスやパンツを剥ぎ取り、足を大きく開かせてくる。晒されたアナルはヒクヒクと動き、チンポはパンパンに勃起して下腹部にベッタリと密着していた。
 
今までずっと裸で生活させられ肌を晒すことに慣れていたとはいえ、万代さんにこんな姿を晒すのはさすがに抵抗があった。早く視線を外して欲しいのに、万代さんは僕をマジマジと眺め隅から隅まで観察している。

「勃起してこの程度か? お前のチンコ、思ってたより小せえんだな」
「うぅ、見ないでください……」
「隠す必要ねえだろ。使うのはここじゃなくてケツの穴なんだからチンコが小さいくらい気にすんな」
 
チンポが小さいのが恥ずかしいんじゃなくて、こんな情けない姿を見られるのが嫌なのだけど、万代さんは気にすることなく自らのチンポを取り出して僕のアナルに押しつけた。
 
太さも、硬さも巳堂のモノよりありそうで、僕は胸が高鳴るのを感じた。万代さんのチンポがドクドクいってるのを感じる。これが僕の中に……。
 
思わず生唾を飲み込むと、万代さんは「入れるぞ」と言って一気に僕の中を貫いた。

「ああああっ! 奥にっ、があっ、奥ぅ、来てうううっ!」
「声でけえよ。よく締めつけるやがって、そんなに俺のが欲しいのか?」
 
僕がコクコクうなずくと万代さんは激しく腰を振り始めた。一突き一突きが重く僕の中をかき回してくる。
 
よく感じる部分もそうでない部分も、全部押し潰すように刺激されヨガり狂う僕を万代さんは満足そうな顔で見下ろしていた。
 
一方的で乱暴で独り善がり。万代さんとのセックスは、正直巳堂の方がまだ僕への配慮があるようにすら思える。でも、巳堂とは比べ物にならないくらい、今僕は心の底から満たされていた。

「ハァッ、ああっ! 万代さんっ、もっと僕、うっ、つ、使ってください! 僕にいっぱい出して!」
「言われなくたって出してやるよ」
 
万代さんは深々と僕の中を突き上げると、熱いものを大量に吐き出した。僕もそれを感じながら射精する。
 
余韻に浸る間もなく、万代さんは悶えている僕をうつ伏せにすると、そのまま挿入して二回目を始めた。

「あっ、あぁっ、んあっ! やっ、すぐイっちゃう!」
 
寝たままの体勢でバックで突き上げられると、さっきとはまた違ったところを刺激され、僕は今にも達しそうになった。
 
しかし万代さんはそれが聞こえていないかのように無反応で、腰を打ちつけながら僕の背中を指先でなぞっていた。

「……そういえばお前、まだ墨入れてなかったな。いい機会だ、彫師紹介してやるから、俺の言った柄入れてこい」
「あぁ、はぇ?」
「刺青だよ、刺青。俺と同じもんでも入れりゃ、お前も俺の物だって自覚ができるだろ?」
 
万代さんと同じ刺青を? ああ、考えるだけで幸せな気持ちになる。

「はっ、はひ、万代さんと同じ刺青、入れたいですっ!」
「ハハ、お前幸せもんだな」
 
万代さんと同じ柄の刺青を入れた自分を想像し、多幸感に包まれながら僕はイった。その締めつけが気持ちよかったのか、万代さんも僕の中で果て、熱っぽい吐息を漏らしていた。
 
これで僕の中には二回分の精液が溜まっていることになる。だけど万代さんはまだ満足できないのか、再び僕に腰を振り始める。
 
こんな気が狂ってしまいそうなほどの快感と幸福を僕は今まで知らなかった。僕なんかがこんなに幸せでいいのだろうか。

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