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短編
7
どんなに屈辱的な仕打ちを受けても、生きるために必要なことは何でもするつもりだった。生きてさえいれば、また万代さんのもとへ帰ることだってできるはずだ。
 
だから、巳堂に体を開くことが必要ならばそれも仕方ないと自分に言い聞かせ、すべてを受け入れるつもりでいた。
 
食事を終え、腹の膨れた僕を巳堂は再びベッドへ寝かせた。すでに巳堂の股間はスラックス越しでも分かるほど勃起していて、興奮を隠せない手つきで僕の脚を開かせ自分のガチガチになったモノを取り出した。
 
赤黒く血管が浮きたったチンポは僕のよりずっと大きくて、威圧感すら放っている。それがおもむろに僕のアナルへ押し当てられ、焦らすように擦りつけられると僕はこれまでにない恐怖を覚えた。
 
これを受け入れたらどうなってしまうのだろう、そんな不安が何度も頭をよぎる。
 
それと同時にいくら覚悟を決めてみても、恐怖心ばかりはどうにもならない自分の弱さに打ちひしがれた。

「これが今から京太の中に入るチンポだよ、硬くなってドクドクしてるのが分かるかな? バイブやディルドなんかじゃ満足できなくなるくらい気持ち良くしてあげるね」
 
僕の中に巳堂が入ってくる。硬くて冷たいバイブと違う、生温かい人の感触。僕はこれ以上ないほどに自分が今犯されているという実感を味わった。

「ぐあっ! 苦しいっ、はっ、ひうぅ……! は、入らなっ、うぐぅ!」
「ああ、京太の中はこんな感じなんだ。温かくて、すごく締めつけてくる。初めてチンポ入れられて喜んでるみたいだ」
 
苦しい。巳堂が奥へ入ってくるほど息ができなくなっていく。僕はきっと酷い顔で苦痛に悶えているはずなのに、巳堂はどうしてこんなにうっとりした表情で僕を覗き込んでくるのだろう。
 
奴は僕のすべてを支配したいかのように、腕を押さえつけ体にのしかかってくる。顔にかかる熱い吐息が煩わしかった。

「奥まで入った。じゃあ今から動くよ」
 
巳堂はそう言って僕の腹を内側から押し上げるように突き上げた。最初はゆっくりだったけど、気づくと徐々にスピードは速くなって、いつしか僕のことなど顧みることもなく、自分の欲望を満たすためだけに激しく腰を振るようになっていた。

「あっ、あっ、うああ! 無理っ、こんなのできないぃ! ひああっ、んっ、んぐっ……!」
 
絶叫を上げる僕の口は巳堂の唇に塞がれた。舌が中へ入ってきて僕の舌と強制的に絡ませあう。僕の両手を押さえつけていた手は、気づくと指と指を絡ませギュッと握り締め合っていた。
 
乱暴な腰つきは相変わらずだが、僕の感じる部分を器用に突いて、無理矢理興奮を高めてくる。
 
これじゃまるで恋人同士で激しく交わっているみたいじゃないか。ペット扱いは受け入れられても、こんな男と恋人のような関係になるなんて絶対にありえない。

「んふっ、ふっ、こういうの気持ちいいだろ、京太。万代はしてくれないもんな。あいつは京太のこと利用してるだけで、道具としか思ってないんだよ」
「そんなことっ、な、ないっ、うぅ……! あなただって、僕のこと、ぐぅ、ペット扱いしてる!」
「でもちゃんと愛はあるよ。万代はどうかな? 京太のこと道具としか思ってなかったら、きっと助けにも来ないで見捨てるはずだ。まあそのうち分かることだ」
 
そんなわけがない、万代さんは僕のことを見捨てたりなんかしない。確かにあの人は冷酷だけど僕のことは特別に思ってくれているはずだ。
 
そうじゃなければ僕は拾われることもなく何年も前にどこぞでとっくに野垂れ死にしていただろう。
 
僕にとって万代さんが神様のような存在であるのと同時に、万代さんにとっての僕はかけがえのない右腕なんだ。
 
だからあの人はきっと僕を取り返しに来てくれる。きっと……絶対にそうだ。そうじゃなかったら僕は、何の価値もない人間じゃないか。
 
駄目だ、こんなことで不安になったら巳堂の思う壺だ。
 
僕は自分を奮い立たせ、与えられる快楽に流されないよう気をしっかり持った。
 
巳堂は再び僕にキスをしながら腰を激しく振る。内臓を突き上げられるような衝撃は最初こそ苦しかったが、もうすでに気持ちよくなりつつあった。
 
バイブと違って動きも予想できないうえに、力強さは段違いだ。ただのバイブであそこまで快感に溺れていた僕が耐え切れるはずもなく、一番感じる場所を集中的に突き上げられると、恥も外聞もなくイってしまった。

「うあああっ! ダ、ダメぇ……! イッ、おおっ、イクっ、んううう!」
 
足や腹がピクピクと痙攣して電流を浴びたように脳が痺れた。何も考えられず、ただひたすら解放感と気持ちよさに喘ぐばかりで、自分が獣のような声を上げるのを止める余裕もなかった。

「んおおっ、んぐ、イクぅ! あっ、またぁ……! おおおっ、チンポが奥まできてっ……おあああっ!」
 
気持ちいいのが止まらない。ニヤつく巳堂の腕の中で僕は何度もイっては精液を吐き出し、何も考えられなくなるまでとにかくイキまくった。
 
屈辱や不甲斐なさを感じる暇なんかなかった。だってもう僕は体も心も巳堂のせいで滅茶苦茶になってしまってるのだから。
 
体の中に流れ込んでくる熱いものは巳堂の精液だろうか? もうなんだっていい、このままぐちゃぐちゃにされて不安も何もかも分からなくなってしまった方がきっと楽だ。
 
万代さんに悪い気はしたけど、でも少ししたらそれも忘れてしまった。

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あきゅろす。
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