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短編
4
「ひぃっ、あっ、んふぅ……! お、奥に、来てっ……んおっ!」
 
声を出したらいけないと分かっているのに我慢できない。恥ずかしい喘ぎ声が僕の口を通して漏れ出てくる。
 
何が一番嫌かって、こんな屈辱的な扱いをされているのに、僕のチンポがもうすでに再び勃起しかけていることだった。巳堂がわざと僕の中のどこかを集中的に指先で擦ると、腰がビクビク浮き上がってチンポにむず痒い刺激が走る。
 
そのせいで僕は恥も外聞もなく勃起して、巳堂の笑いを誘っていた。

「前立腺擦られてもう勃起しちゃうんだ。君は万代の手下なんかよりペットしてる方がずっと適性あるんじゃないか?」
「あっ、そ、そんなこと、ない……おあっ?! やだっ、あっ、んあっ、ああぁー!!」
 
自分の意に反して勃起させられるのは体より心がつらい。巳堂みたいな男の手で尻から刺激され、それを強いられているとなればなおさらだ。
 
いっそ出してしまえば収まるだろうけど、アナルからの刺激だけじゃそこまでには至れなかった。

「なんだか苦しそうだね。万代は君の相手してくれないのかい?」
「ま、万代さんは、僕のこと、んっ、そういう風に見てないから……あぁっ!」
「ふぅん、万代も馬鹿な奴だな。それにしても、まだケツだけじゃイけないから苦しいだろう? 気持ちいいのに苦しそうな顔して本当に京太は可愛いね」
「はっ、はぁっ、たすっ、助けて! お願いします、もっ、無理ですぅ!」
「お願いするならもっとハッキリ言ってくれないとなあ。それに下品な物言いじゃないといまいち乗れないな」
 
巳堂は笑いながら僕を攻め立てる手を少し休めた。僕の屈辱に満ちた懇願を聞きたいがための猶予。本当にこいつは性格が終わってる。
 
でもこんな奴相手でもなりふり構ってはいられない。

「うっ、ぐぅ……お、お願いします。僕のチンポも弄ってください。アナルだけじゃイけなくて苦しいんです」
「可哀想に、イキたいのにイけないのは相当辛いだろう?」
 
僕がうんうんとうなずくと巳堂は曇りのない笑みを浮かべ、僕のチンポを軽く握って優しくさすってきた。触れられたところから甘い刺激が走り、僕は間延びした喘ぎ声を上げて腰や脚をビクビクと震わせた。
 
気持ちいい、出したい、イキたい、何でもいいから楽になりたい。

「イクっ、おぉっ! あぁ、もう、む、無理ぃ……!」
「俺の手の中で必死にチンポビクビクさせて可愛いなあ。小さいのに頑張って大きくなろうとしてるんだね」
「ああぁ、イクぅ! あぁっ、ハァっ、あああ!」
 
ドクドクと股間を駆け抜けていく快感。頭の中が燃えるように熱くなって、目の前が真っ白になる。意識が飛びかけたものの、僕は巳堂の荒い息遣いと笑い声で現実に引き戻された。

「ハハハ、気絶しそうなくらい気持ちよかった? 腹まで精液飛んじゃったね」
 
異様に興奮した様子の巳堂は瞳をギラつかせながら、僕のアナルから指を引き抜き、萎え始めたチンポを名残惜しそうにひと撫でした。

「こんなにイったのは初めてだろう? 京太の気持ちよさそうにしてる顔見てたら、俺まで一緒にイっちゃったよ」
 
巳堂は自分のパンツの中に手を突っ込むと、指先にくっついた白く粘つく精液を僕の口元に差し出してきた。まさか、手も触れず僕の悶える姿を見ただけで射精したのだろうか。思わずゾッとしていると、巳堂はその精液のついた指先を僕の口元に差し出してきた。
 
僕は何も言わずそれを舐めた。自分の精液よりも抵抗感はあるし、臭いも味もきつかったけど、ここで上機嫌の巳堂に水を刺すのは得策ではない。

「いい子だね。京太はその辺の輩と違って物分かりもいいし身の程も弁えてて、本当にいい子だ」
 
こんなに嬉しくない褒め言葉は初めてだ。褒められるたび嫌な気持ちになっていく。
 
巳堂はベッドから降りると近くに置いてあったプラスチックの箱から何か取り出し、僕に押しつけてきた。
 
ベージュ色をした、シリコン製のディルドだ。そこそこリアルな形状をしていてご丁寧にタマまでついてる。

「俺も忙しくてね、京太には悪いけどずっと一緒にはいられないんだ。だから俺のいない間はそれでアナルの開発しててくれるかな?」
「じ、自分で、ですか? でもこれ、さすがに太すぎて、その……」
「大丈夫、京太ならすぐ慣れる。それにそのくらい入るようにならないと、俺のチンポも入らないよ。それじゃあ、明日の朝また来るからそれまでにその根元まで入るようになっててね」
 
これの根元までだって? そんなの無理に決まってる、このディルド15cmくらいはあるし、僕のよりずっと太さだってある。こんなのを挿入したら、僕のアナルが壊れてしまう。
 
僕は口にこそ出さなかったが、無理に決まってると絶望感を漂わせた視線を巳堂に送った。が、それは徒労に終わり、巳堂はにこやかに笑ったまま部屋を出て行き、僕は一人この異常な空間に取り残された。
 
明日の朝また来ると言っていたが、ここは地下で窓もなく時計もないので残された時間がどれほどあるのかも分からない。ただひとつ確信があるとすれば、巳堂の言いつけを守らなかったら酷い目に遭わされるということだけだ。
 
僕はしばし渡されたディルドを見つめ、諦めがつくとため息を吐きながら壁にもたれかかって両足を大きく開いた。股間にローションをたっぷりかけ、まずは指で慣らしてみる。
 
二本の指を中でグニグニ動かしてみると、巳堂に弄られた時ほどではないが妙な気持ちになってくる。少なくとも痛みや強い不快感はない。

「んっ……ふっ、ハァ、もうちょっと、広げないと」
 
指を三本に増やしさらに奥を広げてみる。何だか妙な感じだ。少し苦しくて、それなのに僕はまた勃起している。
 
この調子ならあのディルドも入るかもしれない、きっとそうだ。僕は自分を励ましながらアナルをじっくり開発していった。

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