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短編
3
出そうで出ない、もどかしさと苦しさの混じった感覚が俺の中で大きくなる。

「うっ、うぐっ! んうう、んぅっ!」
「あーあーダメダメ、そんなにお願いしたって俺より先にはイかせないからな」
 
口髭の男の頭はずいぶんとおめでたいようだ。俺はあいつにお願いをしていたのではない。「調子に乗るなクソッたれ」と言ってやったんだ。
 
しかし男はそんなことなど知るよしもなく、俺を犯し弄んだ。一物を握る手は時々緩められ、俺が射精しそうになるとまた強く握って精液をせき止める。そのたび俺は情けない声を上げ、犯している男たちを喜ばせていた。

「うっ、はぁ……あぁ、すごい、止まらない! 全部飲めよ、一滴でもこぼしたら許さないからな」
 
口を犯していた男はそう言いながら、俺の後頭部をつかんで一物を突き立てた。

喉の奥へ直接精子を注がれて、こうなったらもう飲み込む以外の選択は残されていない。

やけに粘り気があって飲み込みづらいそれを、俺は半ば無理矢理飲まされるとようやく口から一物が引き抜かれた。
 
これでようやく一人は済んだ。だが、まだ肝心のケツを犯している奴の方が残っている。

口髭の男はいつもやたらにねちっこくて、おまけに遅漏だから相乗効果で俺への負担は相当なものだ。

「一人済んだからって気を抜くなよ。ほら、お前も早くイきたいだろ?」
 
また一物を握る手が緩んだ。どうせいいところで止められるのは分かっているのに、俺は性懲りもなく声を上げて、つかの間の肉欲を享受した。

「あっ、はぁ、も、イかせ……んっ、んあぁ、イきそ……っ! あと、少しで」
「はい終わり。何期待してんだか、馬鹿らしい」
 
口髭の男は勝ち誇ったように嘲笑を浴びせ、ギュっと俺の一物をつかんだ。悲しいことだが事の主導権は完全に奴が握っている。

俺にできるのは精々奴のご機嫌をうかがって、早くイかせるよう尻を振るだけだった。




長いこともどかしい責め苦が続いたが、ようやく口髭の男も限界が来たようで今まで以上に俺を激しく突き上げると、ケツの中に生温かい精液を放った。

最後の一滴までしつこいくらいに注ぎ込み、それが終わってやっと俺の射精が許された。

「ひっ、うぐっ……ああ、ダメだ、いっぱい来てる! やだ、そんな一気に、あああっ、イヤだ!」
 
自分でも何を言っているのか分からなかった。脳が処理できないくらいの快楽が一気に押し寄せて、俺は支離滅裂なことをわめきながら男の上で果てた。

散々焦らされた割にはずいぶんあっけなかったが、効果のほどは絶大だ。 

俺は放心状態で体を男に預け、かすかに痙攣しながら視線を虚空にさまよわせていた。熱で回線が焼き切れたみたいに頭が回転しない。

口髭の男は何か言っているようだがさっぱり内容が分からず、壁越しに話しているかのように遠くに感じる。涎が口の端から流れ落ちていたが、それすらもどうでもいい。
 
ふと部屋の入り口から新しい男たちが入ってきた。今度は五人。ああ、またか、今度は二人の時よりも骨が折れるな。

俺は他人事のようにそう思って、嫌な目つきでこちらを見てくる男たちに無関心な視線を返していた。

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