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シリーズ
8
一体子供がどうなったのか、その顛末は見届けなかったがたぶん上手いこと逃げ切っただろう。

それよりまずいのは俺の方だった。

ホテルに着くなりシュヴァルツは何を思ってか、俺の首に悪趣味な首輪をつけてきたのだ。

真っ黒で奇妙な装飾を施されたその首輪は俺の首にきつく巻きつき、いくら取ろうともがいたり爪で切ろうとしたりしてもびくともしない。

明らかにおかしいので俺はシュヴァルツをにらみながら一体何をするつもりなのか尋ねたが、帰ってきた言葉は俺の想像を遥かに超えるものだった。

「その首輪かい? それは私の言葉に従順になる首輪だよ。あまり使いたくなかったんだが、今日の君の行為は目に余るものがあったからね」
「なんでそんな妙なもん持ってんだよ……あの夢魔から買ったとか、まさかな」
 
俺はただの独り言のつもりで言ったのだが、シュヴァルツは驚いて俺の言葉を聞き返してきた。

なんでもシュヴァルツは俺が子供と楽しんでいるまさにその時、その夢魔から首輪を買い取っていたらしい。

「君があの香水を買ったということは、支払いは体でしたわけだね?」
「当たり前だろ、俺はあんたと違って人間の通貨しかもってないんだよ」
「ますます許せなくなったじゃないか。あんな下賤な奴にキスを許すなんて……きつく体に教えないと」
 
ブツブツつぶやくシュヴァルツの表情は鬼気迫るものがあった。俺は嫌な感覚を全身に浴びながら、シュヴァルツの気が休まるまでどこかに身を隠しておこうと考えた。

そのためにもここから逃げ出す必要があったのだが、俺がその素振りを見せるや否や、シュヴァルツは刺すような視線を俺に向けてきた。

「逃げる気かい? そうはいかないよ、私のもとに来て口で奉仕するんだ」
 
当然そんなことを言われても、聞き入れる義務なんて俺にはなかった。

なかったはずなのに、俺は気づけばベッドに座るシュヴァルツの足の間に頭をうずめ、必死に奴の一物を頬張っていた。

「不思議だろう? その首輪をつけられた者は、どんなことがあってもつけた相手に服従するんだ」
 
あの夢魔の野郎、厄介な物をシュヴァルツに売りつけやがった。いくら心の中で怒号を響かせても、残念ながらその声は誰にも届きそうにない。

俺はシュヴァルツの言いなりになり、体を弄ばれ続けた。

「君が動いて、私を気持ちよくさせてくれ。ああ、それと喘ぎ声は我慢せずにいっぱい出してくれて構わないよ」
 
一物をケツの穴に受け入れ、俺はシュヴァルツにまたがったまま大きく腰を動かした。大きな一物が俺の中を擦り、そのたびに過剰なほどの快感が俺の中に流れ込む。

「ああっ、やだ、中が……いっ、気持ちよすぎて、どうにかなる! む、無理、あっ、あっ、あっ!」
 
俺は情けない顔で涎を流しながらも、腰だけは正確に動かしていた。自分の体なのに自分の思い通りにならない悔しさが、なおのこと俺の感情を揺さぶってくる。

「やっ、なんで……腹、いっぱいで、気持ちいい! あっ、そこ、やめろぉ! ひぐっ、そこばっか、おかしくなる!」
「アハハ、やめろと言っても動いているのは君じゃないか。ほら、もっと腰を使ってごらん。早いところ済ませて、ここを離れなければならないからね」
 
シュヴァルツは上半身を起こすと俺の耳に口を寄せ、優しく小さな声で囁いた。

「今度は首輪なしで相手をしてくれるかい? こんなに可愛く喘いでくれなくてもいいから」
 
そう言いながら、シュヴァルツは俺の頭を愛おしげに撫でた。

俺はそんなシュヴァルツに足を絡ませながら、顔こそ不機嫌だったが素直にうなずき、熱の覚めやらないこの体をゆだねることにした。

これが俺の本心ではなく首輪のせいでそうなっているのだと、何度も自分に言い聞かせながら。

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