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シリーズ
8
「ほらもっと締めろよ変態。自分ばっか気持ちよくなってんじゃねえよ!」
「あー、喉気持ち良すぎ。もう出そうだわ」

頭も尻もいいように扱われ、陰茎に貫かれる。
 
両側の腰つきも段々と激しくなっていき、最高潮にそれが高まると勢いよく古座の中へ射精した。

「んふっ! おっ、んぅ、うう……!」
 
体の中に広がる熱に浮かされ、古座もビクッと体を痙攣させイった。勃起した陰茎から精液が飛び散り自分の体を汚す。
 
ホッと息をつく間もなく、次の男が古座の元へやってきた。四つん這いにさせられ、無遠慮に挿入されるとその衝撃だけでイってしまいそうだった。

「中ぐちょぐちょだな。ヌルヌルしてよく締まるからすげえ気持ちぃ……!」
「いい加減、しろよっ……! 変態っ、んぅっ、後で覚えてろ」
「あぁ? 舐めた口聞いてんじゃねえぞ肉便器が! チンポでケツ突きまくられてるくせに何偉そうな口叩いてんだ? オラオラッ、てめえはケツ掘られて媚びた声出してりゃいいんだよ!」
「あああっ! やめっ、んあっ、ああああっ! いやっ、ダメっ、おかしくなるぅ!」
「自分の立場分かったか? このクソ便器がよ」
 
しゃべれば喘ぎ声にまみれる口をギュッと閉じ、古座はいやいやと首を横に振る。そんな些細な抵抗は実を結ばず、返って男の嗜虐心を焚きつける結果にしかならなかった。
 
腰をつかまれ中を貪るように犯されていると、口元にまた男の陰茎が差し出される。
 
見上げればニヤニヤ笑ういやらしい顔がある。キッとにらみつける古座だがすぐ口を開き大人しくそれを咥えた。

「へへ、ちゃんとらしくなってきたじゃねえか。チンポ咥えてる顔似合ってるぜ」
 
気持ち悪いはずなのに快感のせいで思考がぐちゃぐちゃになってこういった行為への抵抗感が薄れていく。まずいと思っても古座にはどうすることもできなかった。
 
理性までもが薄れていく中、ハッキリ形を保ち残留しているものもあった。数々の屈辱に対する、燃え上がるような悔しさだ。
 
どんなに絶頂して頭の中が真っ白になっても、それだけは心の中で澱のように溜まっていく。
 
しかしそれを解放する暇もなく、雪のように深々と降り積もっていく悔しさが、誰にも知られず古座の中へ堆積していった。

 


雪間は落ち着かない様子で携帯を握り締め、八度目のメッセージを古座へ送った。
 
もう四時間は経っているはずだが未だに返事はなく、メッセージを見たという形跡すらない。
 
居ても立っても居られなくなって、早く古座のことを探しに行きたかったが、今乗せられている木野井の車はもう二時間も駐車場に停まったまま動く様子を見せなかった。

「なんでこんなところで止まってるんだ? 早くあいつのこと探しに行くべきだろ」
 
たまらず雪間は隣に座る木野井へ尋ねた。

「秋、心配なのは分かるが無闇に動いてもどうにもならないだろ。今奴らの居場所絞ってるところだから、もう少しだけ辛抱してくれ」
 
確かに木野井やその部下の携帯はひっきりなしに電話が鳴り、その情報を元に部下が捜索範囲などを絞っている様子だった。

「それでも、こうしてる間に珠樹が危険な目に遭ってたら……」
「大丈夫だ。あのガキも結構したたかだし、それに体も頑丈だろ。きっと上手いこと立ち回ってるさ」
 
ポンと肩を叩いてくる木野井の仕草は馴れ馴れしいものだったが、気休めでもそう言ってもらえると雪間もほんの少し気持ちが軽くなった。
 
頭の中に蔓延る不安は完全に解消される事はなかったが、多少マシになると雪間はそれまで気にかけていなかった点にふと疑問が浮かんだ。木野井は一体古座に何の話があったのだろうか。
 
これまでの経緯を聞かされた時は、詳細をぼかされ単に「偶然会って少し話した」と説明されたが、興味もないはずの古座と何を話したのだろう。
 
ちょうど電話が鳴り止んだタイミングを見計らい、雪間はそのことを木野井に尋ねてみた。
 
唐突な質問に木野井は少し困った顔をしていたが、何とも気の進まない様子ながら答えてくれた。

「秋はあのガキに兄貴がいるの知ってたか?」
「ああ、まあ。酔っ払ってた時にそんなことを言ってはいたが、詳しい話は聞いてないな」
「そうか、まあそんなところだろうな」
 
木野井は何やら含みのある言い方をするが、それを指摘する間も与えず話を進めた。

「俺はその兄貴と少しばかり顔見知りでな、こっちに来るって話を聞いてたからそれをあのガキに伝えたんだよ」
「あんたと知り合いって……珠樹の兄貴は一体どんな奴なんだ?」
「心配ねえよ、一応カタギだから」
「カタギがあんたと知り合いになるのか?」
「失礼な、俺だって少しはまともな知り合いも持ってるさ。それより、秋はこのことあんまり突っ込まない方がいいと思うぞ」
 
急に諭された雪間はやや驚きながらも不服そうな目を木野井に向けた。何故そんなことを言われなければならないのかとムッとする。
 
無言だったが雪間の意図を汲み取った木野井は補足的に話を続ける。

「こういう家族の問題に外部の人間が土足で踏み込むべきじゃないだろ? 秋は何も言わず見守っててやってればそれで十分だ」
 
確かに木野井の言葉は一理あった。自分の考えがいささか過干渉過ぎた気がして、雪間は木野井を真っ直ぐ見ながら謝った。

「すまない、何も考えずムキになってた」
「別にいいさ。何か困ったことがあったらいつでも相談に乗ってやるからな」
 
木野井はそう言って強面の顔に似合わずニッと笑った。見るからに下心丸出しといった様子で、運転席の部下ですら見えないところで辟易とした顔をしていたが、極度の焦燥感に苛まれている雪間は気にする素振りもなかった。

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