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シリーズ
9
「スイッチ入れるからすぐに気絶だけはしないでくださいよ。もし気絶したら先輩の写真相方君に送りつけますからね」
 
赤尾は念押ししながらバイブのスイッチを入れた。瞬間、挿入されていたバイブが低い唸り声を上げながら強烈な振動を開始する。

「……っが、あっ、ぐあっ!」
 
あまりの衝撃に叫び声も上げられず、雪間は口をぽっかりと開けてそこから絞り出したようにうめき声を漏らした。内側から壊されていくような凶悪な振動が間断なく襲い来る。それはまるで腹の中を殴りつけられているかのようだ。
 
目隠しの下で目を見開き、雪間は自由にならない体でもがいた。こんなに苦しいはずなのに、頭はどこかで快感を求めている。まるで苦しくされるのが気持ちいいと言わんばかりのうずきに、体が否応なく反応する。

「ちょっと硬くなってきてるじゃないっすか。やっぱり先輩は肉便器がお似合いっすね」
「ち、ちがっ、俺は……!」
「肉便器は肉便器らしくヤられてたらいいんですよ。俺を出し抜こうなんて舐めた真似するからこうなるんです」
「ひっ、あああっ! 悪かった、あ、謝るから、もう許してくれ」
 
どれだけ哀願しても、今の赤尾が聞き入れるはずもなかった。バイブは変わらず振動を続けて雪間の穴を広げていき、徐々に硬くなりつつある陰茎には、何かゴムのような輪っか状の物が取りつけられ、根元から陰茎を締めつけていた。
 
コックリングだ、と気づいた雪間は締まらない顔を苦々しく歪めた。これでは勃起し続けたまま、ろくに射精もできず苦痛だけが続いていく。目隠しを一枚隔てた向こうで、こんな情けない姿を見ている赤尾は一体どんな表情を浮かべているだろう。

「先輩が普通の男みたいに気持ちよくなれるなんて思ったら大間違いっすよ。ユルユルのケツマンコをバイブでガンガン突かれながらイきまくってくださいね」
「はぁっ、あぁ、で、できないっ、そんなの無理だ!」
「うるさいなあ。黙ってイけないんですか? あんまりうるさいと尿道に綿棒でもぶち込みますよ」
「いっ、いやだ、悪かった、助けてくれ……!」
 
赤尾の言葉がただの脅しとは思えず、雪間は声を潜めながらも必死になって助けを求めた。馬鹿にされるのは分かっていたが、なりふり構っても居られず、繰り返すたび大きくなっていく快感を気力で抑え込みながら繰り返し訴えかける。

「これからは、ひぅっ、あぅ、な、何でも言うことを聞く。本当に、なんでもするから……これ以上酷くしないでくれ」
 
一瞬の間があり、すぐに赤尾から笑い声が沸き起こった。

「アハハハハッ、マジでなっさけないっすね! バイブでよがって、泣きながらお願いっすか。何でも言うこと聞くんだったらこのまま大人しくヤられてくださいよ!」
「ひぎっ、あっ、あっ……! やめっ、奥まできてるっ、あがっ、がああっ!」
 
穴の中で一定の振動を繰り返していたバイブが、いきなり奥まで突っ込まれる。赤尾がバイブをつかんで無茶苦茶に突き上げているらしい。
 
雪間は声も出せずに体を弓なりに反らせ、自由にならない体を悶えさせた。大きなバイブは雪間の性感帯をゴリゴリと押し潰すように刺激し、そこから発生する逃げ場のない快感が容赦なく追い打ちをかける。
 
我慢できずに気を緩めると、その一瞬のうちに目の前が真っ白になり、雪間は呆気なくイってしまった。それが引き金となり雪間は連続で絶頂し始めた。

「あっ! んぁっ! し、死ぬっ、待ってくれ! イきたくない! やだっ、イっ……!」
 
いくら拒もうが絶頂は容赦なくやって来る。イくたびに体はバイブをギュッと締めつけるので、ますます気持ちよくなってしまい、ドロドロになる意識の中で雪間は泣きわめきながら幾度となくイっていた。

「あぁっ、もういやだっ! ひっぐ、助けてくれ、こんなの耐えられない! ひぎっ、いだっ、乳首がっ、あああっ!」
 
両方の乳首に強い刺激を感じた雪間は体を大きく震わせた。乳首をクリップのようなもので挟まれただけのようだが、視界を遮られている状態では一瞬何をされているのか分からず、恐怖ばかりがつのっていく。

「いやだっ、外してくれ! 乳首がっ……っぐあ、し、尻も、おかしくなるっ、いやだっ、これ以上いやだ!」
「うるさいなあ。どうせわめくんならもっと気持ちよさそうにしてくださいったら」
 
乳首を挟むクリップを赤尾の指で弾かれ、また強烈な刺激が胸に走った。雪間は体をわななかせ、開きっぱなしになった口から涎を垂らす。
 
何をされるか分からず恐ろしいはずなのに、体は気持ちよくて仕方なく、媚びるように腰までクネクネと動きはじめた。赤尾の馬鹿にしたような笑い声が聞こえる。その声は足音ともに雪間から遠ざかっていき、雪間が嫌な予感を覚えて声を上げた時には、何の気配もしなくなっていた。
 
一人取り残され、放置された雪間は無言のまま絶望感に包まれた。もはやバイブを止める人間は誰もいない。自分が気絶するか、それともこのバイブの電池が切れるか、この苦痛にすら感じる快感から逃れるには二つに一つだった。

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