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シリーズ
8
赤尾の家の天井を見上げ、雪間は息も絶え絶えに喘いだ。視界にはチラチラと赤尾の顔が映る。ぼやけてはいたがその顔は確かに笑っていた。

「出してもらう時はなんて言うんでしたっけ?」
「はぁ、ああっ、うっ、ぐぅ、だ、出してくれ。俺の、俺の中に精液を出してくれ!」
 
振り絞るように懇願すると、間もなく下腹部に生温かいものがじわじわと広がっていくのを感じた。先に出されていた精液が逆流し、赤尾が雪間を突き上げるたび結合部から泡立ったそれがあふれてくる。
 
赤尾がイくとそれに合わせて雪間も絶頂した。体が痙攣し、自分の肉壁がギュウギュウと赤尾の陰茎を締めつけているのが分かった。ありありと感じる赤尾の陰茎に、雪間は感じ入りながら、だらりと肢体から力を抜いた。

「今日もいっぱい出ましたねー、ハハ。まだ意識ありますか?」
「……っう、抜いてくれ」
「しょうがないっすね」
 
赤尾はわざと乱暴に陰茎を引き抜き、雪間に嬌声を上げさせた。ずっと挿入されっぱなしだった穴はぽっかりと口を開け、逆流する精液を垂れ流しながら、閉じることもできずにヒクヒクとわずかに開閉していた。
 
雪間の意識は朦朧とし、垂れてくる精液を拭わなければとぼんやり考えていた。しかし身動きを取ることすら億劫で、何もできず天井を見上げている。そうしていると赤尾が頬を軽く叩きながら、風呂に入って寝ようと言ってきた。

面倒に思う雪間だが体は赤尾に言われるまま起き上がって浴室へ向かう。歩くたび穴から精液が滴り、太ももを汚していくと、とても情けない気持ちに苛まれた。




数時間前までの異様な熱気も消え去り、赤尾の自室は静まり返っていた。まだ夜明けまでには程遠く、部屋は物の輪郭がうっすらとしか見えないほど薄暗い。だがその部屋でぼんやりと光に照らされ浮かび上がるものがあった。ノートパソコンの画面の明かりに照らされる雪間の顔だ。
 
雪間は緊張した面持ちで赤尾の私物であるノートパソコンを起動させ、パスワードを打ち込んでどうにかログインしようと試みていた。目的はこの中に入っているであろうハメ撮りの動画や画像だった。あの忌まわしい記録がある限り、赤尾の元から自由になることはできない。逆をいえばその記録がなければこれ以上赤尾の命令を聞く必要もなかった。
 
赤尾が目を覚ます前にこのパソコン内のデータ、それに携帯のデータも消してしまわなければならない。しかし大きな壁がそびえ立つ。パスワードを突破できないのだ。
 
思い当たる文字列はすべて打ち込んだがまるで収穫はなく、一番自信のあったパスワードもあっけなく弾かれてしまった。やはり行動を起こすには早すぎたのだろうかと、雪間は柄にもなく焦りを覚え、自分の浅はかさを憎んだ。

自分のせいで酷く悩んでいる古座のことを思い、衝動的にしてしまったことだったが、もっとよく考えるべきだった。やはり今日は出直そうと、雪間はパソコンの電源を落とそうとする。

「何してるんですか?」
 
背後から赤尾の声がした。金縛りにあったかのように雪間は動くことができなくなり、恐ろしさのあまり後ろを振り返ることもできなかった。
 
ベッドのきしむ音、徐々に近づいてくる足音がして、気づけばすぐそこに人の気配があった。生温かい息が首筋を撫で、赤尾の手が肩をそっと抱いて来る。

「まさかハメ撮り消すつもりだったんですか? 先輩にしては大胆なことしますね」
 
背後から赤尾の両腕が伸びてきて、体を強く抱き締めてくる。そのせいなのか、それとも極度の緊張のせいなのか、雪間は息苦しそうにゼエゼエと荒く呼吸をしていた。

「俺を出し抜こうなんていい度胸してるじゃないっすか。俺のこと、パスワードを自分の誕生日にしてるようなマヌケだとでも思ってたんですか?」
「ち、違う、俺は……」
「しょうもない言い訳なんて聞きたくないっすよ。こんな風に人のこと馬鹿にするなんて本当に不愉快っす」
 
赤尾の言動にはいつもの軽薄さはなく、どこまでも冷たく残忍な本性が、今までにないほど垣間見えていた。

これまでも赤尾が不機嫌になることは多々あったが、ここまで怒りを露わにする姿を見るのは雪間ですら初めてだった。一体何をされるのか想像もできず、雪間は恐怖のあまり思考停止で虚空を見つめる。

「いい加減ちゃんと躾しないと駄目みたいですね。先輩のことぶっ壊してあげます」
 
絶望感に蝕まれる体は言うことを聞かず、されるがまま赤尾にベッドへ引き倒された。

「わ、悪かった、もう二度としない、本当だ。何でもするから許してくれ」
「うるさい。面倒くさいんで黙っててください」
 
冷たい言葉を浴びせられ、雪間は全裸にさせられると縄で硬く縛られた。両手は頭上でまとめて縛られてベッドに固定され、両足はM字に開かされたままの格好で片足ずつ縛られて、両手同様に動かないようベッドに固定された。

目隠しをされ、閉じることのできない股の間に冷たい何かを突き立てられる。丸みを帯びたプラスチックのそれはバイブのようだが、今までに使ったことのない大きなサイズなのが目隠しをしても分かった。
 
赤尾はそれを強引にねじ込み、雪間の中へと挿入した。

「ひっ、ぐああっ! 待てっ、できない! あがっ、うぐああぁっ!」
 
内側から感じる圧迫感に雪間は悲鳴を上げた。自分の体が使い物にならなくなるのではないかと危惧するほどに、その苦しさは尋常なものではない。だが今まで使い込まれてきた雪間の穴はその巨大なバイブすらも飲み込んでしまった。

「うっ、あっ、はぁ、待ってくれ。く、苦しい、動かさないでくれ」
「はぁ? 優しくしてもらえると思ってるんですか?」
 
嘲笑を浮かべながら、赤尾はバイブをつかんで軽く動かした。それだけで腹の中をかき回されるような、苦しみとも快感ともつかない感覚に襲われる。恐怖に感情を支配される雪間だが、何よりも恐ろしかったのはこれがまだ始まりに過ぎないということだった。

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あきゅろす。
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