シリーズ
7
俺は上手く動かない体でシュヴァルツに寄りかかり、顔を真っ青にした。
「なんでまだいるんだよ! シュヴァルツ、早く逃げよう。俺、体がまだ動かしづらいんだ」
するとシュヴァルツは俺の肩に手を回し、膝をかかえるように抱き上げると、子供の方を向いて笑みを浮かべた。
俺はその行動の意味不明さと、女みたいに抱かれていることへの恥ずかしさから、足をばたつかせ何をしているんだと急かした。
「大丈夫、坊やは見てるだけさ」
「はあ? なんでだよ」
「さあ。でも私を見てもいつものように襲ってこなかったから、きっと大丈夫だろう」
シュヴァルツの答えはほとんど意味をなしていなかったが、なんとなくどういうことなのかは察することができた。
つまり、シュヴァルツがゴロツキどもを倒すかわりに、あの子供はその間手を出さないという取り決めでもしたのだろう。
自分が直接手を汚さなければ構わないというのもおかしな話だが、シュヴァルツにそのことを耳打ちすると「ちょっとくらい矛盾のある方が、坊やも人間味があっていいんじゃないか」と、ケロリとした顔で言ってのけた。
「もう帰ろうか、悪臭がつきそうだ」
「待て、その前にボスはどうしたんだよ?」
「ああ、あの男かい。ここに来る前に償いをさせたよ。ちょっと内ポケットに入っているものを出してくれないかい?」
シュヴァルツに言われた通りにすると、派手な指輪つきの太い指が出てきた。見覚えのあるその指輪はボスのもので、切断面から見てまだ切り落として間もないようだ。
ボスが死んだ決定的な証拠を見せられ、俺は複雑な気持ちになり何も言えなかった。
「気にすることはない。形はどうあれ、いずれこうなる運命だった」
シュヴァルツは慰めになっているようでまったくなっていない言葉を、俺に優しくかけてくれた。俺もそれに静かにうなずく。
「お前ら、今日は見逃してやるけど、次に会った時は容赦しないからな。血一滴も残さずこの世から消してやる、特にそこのチンピラ」
子供は感傷に浸る俺の気持ちなど無視して、憎々しげにわめきたてていた。さすがに我慢できなくなった俺は、シュヴァルツに目配せをすると、さっさとこの場から立ち去るよう頼んだ。
シュヴァルツもそれに同意し、目の前が煙に包まれたように白くなると、子供の声は徐々に遠くなっていった。
「痛っ……! 何すんだよ。こっちはまだ薬抜け切れてねえんだから、ちょっとは優しくしろよ!」
帰って早々ベッドに乱暴に投げ出された俺は、シュヴァルツをにらみつけた。
しかしシュヴァルツはどこ吹く風で、汚れた俺の服を脱がせ全裸にすると、その上にのしかかってきた。
「君はまだまだ甘いね。少しくらい乱暴にした方が、身に染みて分かるだろう」
「ふざけんな、この……そんなの建前だけで、本当はてめえがヤりたいだけのくせに!」
痛いところを突かれたシュヴァルツは、それ以上何も言わず俺の脚を大きく広げさせた。
すでにほぐされていた穴は、ちょっと指を出し入れするだけでシュヴァルツのモノを受け入れる下準備が済んでしまった。
「君を満足させられるのは私だけだろうね。たまにはそっちから、ねだってみたらどうだい?」
シュヴァルツは勃起した一物を俺の穴に押し当て、焦らすように入口のあたりをグリグリとしていた。
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