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シリーズ
5
体がもっと密着するように、スタッフたちの手によって雪間も古座もひとまとめに縛られた。

自由の利かない体はさらに動きを封じられ、相手の肌のぬくもりを直に感じるはめになった二人は嫌そうな顔をしてはばからない。

「なんで雪間さんの、硬くなってんだよ……マジで、早く抜かないと、おかしくなりそう」
「お前が硬くしたんだろ。だから動くな」
「こっちだって動きたくねえよ! でも……腰が、勝手に動いて……んあっ!」
 
ほんの少し動いただけでも気持ちよくなって、古座は力が抜けたように体を雪間に預けた。二人ともギリギリのところで理性を保ってはいたが、何かきっかけさえあればすぐにでも我を忘れて快楽に溺れそうだ。

「いい感じになってきたね。じゃあ明日の朝迎えに来るから、それまで存分に楽しんで」
 
木岡はそう言ってスタッフたちとともに撤収しようとする。慌てて古座が引き留めようとするも、誰一人その言葉に耳を傾けることはなかった。

「カメラの映像はリアルタイムでパソコンに送信されるようになってるから、ちゃんと見守ってるし心配ない」
「そういう問題じゃねえ! ふざけんなこのクソ野郎、さっさと解放しろって言ってんだろうが!」
「はいはい、じゃあまた明日」
 
古座の叫びが虚しく響き、無情にも部屋の扉が閉められて、部屋には雪間と古座二人きりになってしまった。

静まり返った中、二人はしばらくの間沈黙を保っていたが、不意に古座がそれを破り、何やら気恥ずかしそうに口を開いた。

「雪間さん、まだ我慢できそう?」
「お前がそうやってもぞもぞ動かなかったら我慢できるよ」
「そんなこと言われたって……だって、俺だって動きたくないんだけど。気づいたら勝手に腰が動くんだよ」
 
そう言いながら腰を振る古座は熱い息を吐き出して、妙に色っぽい目つきで雪間を見つめた。

拘束されていない両脚は雪間の脇腹を軽く締めつけると、密着した体をもっとすり寄せ、雪間の首筋に顔をうずめてくる。ヒクヒクと犬のように動く鼻は、首筋ににじむ汗のにおいを嗅いでいるようだった。

雪間は首筋を撫でる古座の吐息にむず痒さを感じながらも、それを甘んじて受けていた。しかし首に古座の歯が当たれば、声を上げずにはいられない。

「やめろっ! 噛むな馬鹿!」
「ごめん、なんか興奮しちゃって。雪間さんのにおい嗅いでたら、ムラムラしてきて……俺、我慢できないかも、雪間さんのチンポ、気持ちいいし……っ!」
「ひっ、ダメだ、首なんか舐めるな、やめろ! あぅっ、やめっ、それ以上はまずい!」
 
必死で快楽に抗う雪間だが、首筋を這う古座の舌に心を溶かされ、次第に頭の中は淫蕩へと傾いていく。

「雪間さん、体倒して、そっちの方がヤりやすい」
 
古座の囁きに、雪間は最早なんの嫌悪感も抱かず、言われた通り体を倒した。楽な姿勢になった二人は、これが撮影だということも忘れて盛り合い、互いに体を貪っていく。

木岡たちの思い通りになっていることなど、もう微塵も気にしていないようだ。

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