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handsize story
小さな翼(捏造モグ誕)


ある日、ティナはモグをふかふかしながら訊いてみた。

「ねぇ…モグって飛べないの?」

そう、モグの背中には確かに赤くてしなやかな翼があった。
だけどモグは答えた。

「羽が小さすぎるんだクポー かっこわるいんだクポ。でも昔むかしのモーグリ族は空が飛べたんだクポ」
「そうなの? じゃあ何故飛べなくなったの? 進化?」
「進化じゃなくて、神様のバチが当たったんだクポ」

そしてモグは、これは一族の言い伝えで長くなるけど…と前置きをして昔語りをはじめた。



昔むかしのモーグリたちは大きな羽を持っていて、空を飛んだクポ。
天で踊るモーグリたちはそれはそれはかっこよかったと聞いたクポ…

だけど空を飛ぶのをいいことに、いたずらをするモーグリがいたんだクポ。
踊りで地上の様子を変えては、面白がって遊んでいたんだクポ。
それを怒った神様が、僕たちの羽を小さくして飛べないようにしてしまったんだクポ…
僕たちが洞窟の奥深くにいるのは、空を見ると恋しくて仕方がなくなるからなんだクポ。

でも、この大地に生きてよかったと思うこともあるクポ。
大地にはお友達がたくさんできるクポ!
踊れば森のウォンバットや砂漠のミーアキャット、水辺のあらいぐまとも友達になれたクポ!
山のうりんこや雪原のゆきうさぎはかわいいし、洞窟の毒蛙も仲間クポ!

……それにボクにはティナやウーマロやみんながいるんだクポ!
僕たちはいつのまにか、地上に生きるものや自然を心から愛せるようになったんだクポー



「だから、ティナもきっと、ともに生きていれば愛するってことはわかるクポ!」

そんな言葉でモグは一族の伝承を締めくくった。
ティナは、モグをいつもよりきゅっと抱き締めた。

「ありがとうモグ…わたしはこの羽、好きよ。」
「ティナ…さっきから背中がかゆいんだクポ。かいてほしいクポー」

ティナはいとおしそうに羽のあいだをそっと掻いてやった。


















ひとこと
FF6でシリーズ初登場の種族、モーグリってその生態は謎ですよね。
勝手に捏造させていただきました、ごめんね。他のシリーズで細かい設定あるのかな。
小動物はそれぞれ「踊る」コマンドで出てくるものですが、私はお目にかかったことないです;
ハッピィバースディ、モグ!!
090511


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あきゅろす。
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