隠された二人の想い [いずちよ]
君に会えて嬉しくなる。
君に会えなくて寂しくなる。
君と話せて嬉しくなる。
君に話しかけられて嬉しくなる。
君と話すと、心臓がドキっと鳴るんだ。
話してもすぐにその場から離れる君。
もう会話終わりか、と寂しくなる。
頭の中で考えていた言葉は、本人目の前にすると考えていたのとは違う言葉がでてくる。
たまにちらっと見れば、たまに目が会う。
(私が見すぎなのかな?)
集会などがあれば、君がいないかなっていつも探してる。
大好きなんだ、君のことが。
*
「よし、出来た」
調理実習で君にあげる為に作ったマフィン。
「千代、それあの好きな人に渡すの?」
「そう……だけど。喜んでくれるかな? その前に私渡せるかな」
「大丈夫だって! ほら帰ろう!」
*
「よぉ、篠岡」
私を呼び止めたのは私の大好きな人。
心臓が大きく脈を打つ。
「あ、泉君」
調理実習の帰り、体育をしていただろう泉君に会った。
下水道の前で顔を濡らしていたのか、その黒い髪の毛からは水が少し垂れている。
(あぁ、その姿もやばいです)
「体育だったの?」
「そだよ。今日も田島がさぁ」
友達は気を利かせてくれたのか先に帰ってくれた。
数人、周りに人がいるが私も泉君もただ今話しているお互いだけを見ていて、
ふと泉君は話すのをやめたかと思うと泉君の指が私が持っている袋に伸びる。
「篠岡、授業家庭科だった?」
「うん。よく分かったね」
「何か良い匂いがするから」
そう言って泉君は笑った。
『これ泉君にあげようと思って作ったの』
なんて、言えるわけもなく私は泉君の言葉を待った。
「篠岡、それ誰かにあげんの?」
「えっ? いや、別に……良かったら泉君食べる?」
言えた自分を心の中で褒める。泉君はこくりと頷くとマフィンが入った袋を手に取った。
紐を解いてマフィンを口に運んで
「うまい!」
満面の笑みで言ってくれた。
つられて私も笑顔になって、
「ねぇ、篠岡。今度からもさ……」
「あー! 泉ずるい! 俺もしのーかのお菓子食べたい!」
「だぁ、うるせぇ! これは俺のなんだからあげねぇ!」
(泉君が言いかけた所で)田島君と三橋君が来た。
三人の光景に私はクスクスと笑っていると、田島君が「しのーか俺にはないの?」と、言ってきた。
「ないない! じゃ篠岡ありがとな! また後で!」
私が答える前に泉君が答えて田島君達を引っ張ってどこかへ行った。
(続き何て言おうとしたんだろう)
でも喜んで笑ってくれる君を見れるならば、次の調理実習も君に渡しに行こう。
隠された二人の想い
(泉君、プリン作ったの。食べます?)
(喜んで)
君の笑顔がみられるなら
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久しぶりの小説更新です
中途半端に7個程小説書き掛けてます(笑)
いず(→)(←)ちよ 的な!
泉君も千代ちゃんを独占したいという(-∀-)
他の人には千代ちゃんの手作り食べさせたくないんですね〜
ここまで読んでくださりありがとうございます!
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