君が好き! [花→百.たじちよ]
昼休み、ミーティングをしていた俺と阿部と栄口とマネジの篠岡。
ミーティングが早く終わったのでそのまま雑談に入ってみた。
「篠岡、田島のどこが好きなの?」
俺が問い掛けると篠岡は少しだけ頬を紅く染め、話しだした。
「全部……かな? 野球やってる時の真剣な顔も、普段笑ってる田島君も悔しがってる田島く」
「わかったわかった! 田島の全部だな」
(このままいけばノロケ話にいきそうだ)
「でも、いいねぇー田島が聞いたら喜びそう」
栄口が笑いながら言った。
「そういう野球部主将は、監督のどこが好きなのかな?」
ブラックな笑みを浮かべ楽しそうに俺に聞いてきたのは阿部。
話が盛り上がっていた篠岡と栄口だが、阿部の一言で二人は同時に俺を見た。
あ、なんか顔が熱くなってきた。
「い、いや! 俺、好きじゃないし!」
「わっかりやすいなぁ、花井は」
笑って言う栄口。
最後の救いを求め、俺は篠岡を見る。
篠岡は俺の視線に気づくなり微笑んで、篠岡から発せられた言葉は、それはもう。
篠岡が天使から小悪魔に見えました。
「今度のおにぎり、監督と作るから、そしたら花井君に監督が握ったおにぎりあげるね」
(……誰か助けて)
こんな時だけ、水谷が恋しくなりました。
君が好き!
(大丈夫! 監督には花井君の気持ちは内緒にしとくから!)
(俺も内緒にしといてやるよ)
(阿部、篠岡、花井いじめすぎだよ! 花井の恋、うまくいかないかもしれないんだよ!)
(え……)
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初の花→百
水谷君がここにいても
一緒に茶化してたと思います。
花井君、栄口君の言葉に軽く傷つく。
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