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そんな2人の恋模様
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見てはいけないと思い、その場を離れようとすると、山口と目が合った。
山口は高橋にキスをしたまま、指先をクイッと曲げて俺に「こっちへ来い」というジェスチャーをした。

俺の足は吸い寄せられるように、2人の元へ進んでいった。

俺が近付いても、高橋は気付く様子はなく、山口とのキスに酔いしれている。

俺は2人から少し離れたところで足を止めた。
その時した、ジャリッという砂を踏む音に高橋は勢いよくこちらに振り向いた。

すると高橋は真っ赤な顔を真っ青に染め、山口の自分より低い位置にある胸に顔を埋め、照れているのか泣いているのか、何か唸っていた。

しかし、高橋のなんとも言えない高い喘ぎ声のような声をあげ、また顔を真っ赤にしていた。

よく見ると、山口の手が高橋の制服のズボンの中に入っていた。

「ほら、風。あの人に君の声聞かせてあげなよ。」

いつもの山口からは考えられないような低い声で、高橋に囁いた。

「やぁっ…見ないでぇ…!ゆき以外に見られたくなぃ…!」

高橋がそう言うと、山口はこちらを少し睨みつけながら

「そーいう事だから、見ないでくれる?」

と言い、高橋に触っていないほうの手でしっしと虫を追い払うように、俺にこの場から立ち去るように言った。

自分から来いと言ったくせにっ!

と思ってすぐに、きっと高橋に悪い虫がつかないようにとあんな事をしたのだろうと思った。

だがしかし、俺は高橋のあの顔を忘れることができずに、姫と鬼のカップルにしつこく付き纏うのはきっと、あの2人も知らないのだろう。



後書き
メインサイドの“俺”くんは実は、頼まれれば誰でも抱いちゃう節操無しという裏設定。




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