小説(短編) ★興味×恋情∴真実?(絳攸(白)編) ―絳攸(白)編― (ど…どうすればいいんだっ) 絳攸は心の中で思わず絶叫していた。 黎深に気絶させられた楸瑛が今、自分の目の前で眠っている。 無防備な寝顔に不埒な欲望が湧き上がってきて、絳攸は首を振った。 そして、はたっと考える。 医師に言われた一言。 『この薬は、効力を発揮しなければ解毒できません』 それは、楸瑛にとって、どれほどの屈辱だろうか…。 「ん…」 不意に響いた声に絳攸は固まった。 「こう…ゆう?」 柔らかい楸瑛の声が響く。 「わたし…は…っ」 自分の状態に気付いたのだろう。 楸瑛は顔を真っ赤にして動きを止める。 絳攸は、出来るだけ冷静に、医師が告げたことを話した。 「…お前が飲んだ薬は…効力を発揮させないと解毒できないらしい」 「そう…」 衝撃を受けているだろうに、楸瑛は淡々と言葉を紡いだ。 「君が助けてくれたの?」 「いや…黎深様だ」 「黎深殿?」 「ああ」 「そう…でもずっといてくれたんだね。ありがとう絳攸」 「っ…」 礼なんて…言わないでくれ…。 絳攸はいたたまれなくなって唇を噛んだ。 楸瑛が今こんな状況に陥っているのは自分のせいなのだ。 「ごめん…」 「?どうして、君が謝るんだい?」 「俺のせいだ…俺が…」 あの杯を干していたら…。 「絳攸…それは結果論だよ。大丈夫だと言ったのは私だ。君は何も悪くない」 「だがっ」 「絳攸…」 「っ…」 君のせいじゃないんだと…。 楸瑛が言うのが…わかる。 本当に優しすぎるから。 はぁっと悩ましげな吐息が聞こえた。 「ね…絳攸…待っていてくれたところ悪いのだけど…席を外してくれるかな」 少し困ったような笑顔で楸瑛が言う。 だが…今、彼の体に起こっていることは1人ではどうにもならない。 「楸瑛…1人じゃ…無理だ」 「え?」 「1人じゃ無理なんだ。だから…俺がここにいる」 「………………いいの?」 「お前が…嫌じゃないなら」 「嫌じゃ…ないよ… ねっ…絳攸…熱い…」 「楸瑛…」 艶かしく誘う楸瑛に… 絳攸は落ちた。 「あ…うんっ」 ちゅくっと微かな音がして、楸瑛のナカに指が入る。 「ひゃっああ…ぅうんっ」 そっと優しく、楸瑛の感じる箇所を攻める。 「はっうん…やっひゃああああああああああ!!」 楸瑛がまた、精を放つ。 はぁはぁと息を整えながら、楸瑛は絳攸の衣を掴んだ。 「こ…ゆ…も…くる……しぃよぉ」 「楸瑛」 「おねが…やく…はやく…ちょうだっ」 甘い声に誘われて、絳攸はゆっくりと楸瑛のナカに己を埋め込んだ。 「あああああああああああああああ!!!!!」 悲鳴じみた声が響いたが止められそうもなかった。 「あんっあっぁあっこ、ゆう…こう…ゆぅぅ」 「楸瑛」 「あっ…いいっ…きもち…いっもっとぉ」 「楸瑛…楸瑛…」 綺麗な楸瑛が淫らに乱れる様は途轍もなく妖艶で。 絳攸は我を忘れて楸瑛を貪った。 「ああんっあっ」 キツいナカを蹂躙して、攻め立てる。 何度も…何度も…。 「ひゃっ…も…こ、ゆぅっ 好きっ…すきだよ…あっああああああああああああ!!」 その言葉を発して達すると同時に気絶した楸瑛に驚いて、絳攸は精を吐き出した。 「楸瑛」 耳元に、楸瑛が言った言葉が蘇る。 『好き』 とそう確かに…。 目が覚めたら、絶対にもう一度聞いて。それから伝えよう。 俺も、お前が好きだと。 [前へ][次へ] |