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小説(短編)
SENSE(ディノ×ヒバ)
一体…なんだって…。
それは、些細な積み重ねから気付いた、単純な…。
それでも重要なこと。

―SENSE―

「はぁ…」
思わずと言ったような吐息を零して、彼―雲雀恭弥は寝台に突っ伏した。
寝台…と言うのもお粗末な簡素な造りのそれでも、何時間にも及ぶ特訓の後では極上の休息場所だ。
仰向けになって見るともなしにそう高くない天井を見やる。
もう、何日になるだろうか?
突如として押しかけてきた家庭教師は何だかんだと言いながらも恭弥を軽くあしらってしまう。
今日とてまた、しかり。
決まったと確信した一撃は鞭に遮られて、襲い掛かった追撃さえも優雅にかわす。


ムカつく…。


あんな風にへらへらしながら、あくまで稽古をつける彼。


「部下がいなきゃ、弱いくせに」


部下がいなきゃ本気を出せないなんてアホらし過ぎる。
でも、そんな奴にさえ勝てなくて。


『恭弥』


不意に耳元で声がよぎる。
周りの人間は呼ばない、下の名前。
馴れ馴れしいと突っぱねていたはずなのに。
いつも間にか受け入れている自分が確かにいて…。
その事実にまたイラつく。


取り留めのない思考がぐるぐると回って、恭弥は溜息をついた。

闘いの最中自分だけを見る瞳に、気分が高揚する。
部下がいなくなると途端に崩れる戦法に、呆れる。


部下を気遣い常に優先するその行動に、イラついて…


あの後輩に向けられる柔らかい眼差しが、自分に向けられないことに


胸が、焦がれる。


イラつく、ムカつく。
ほんのついこないだ、会ったばかりなのに…。
こんなにも囚われている自分がいる。
誰かに捕まるなんてごめんなのに…。


疲れているせいだと思うには、気付きすぎている。

ああ、ムカつく。

それでも今更なかったことには出来ない。

いつの間にか積み上げられていた気持ちの―自覚。

それならば…と恭弥は笑みを浮かべた。

変えられないのなら、こちらが主導権を握ればいい。
獲物を捕らえたように、恭弥の目が光る。

そう、決して逃がしはしないと…決意の色が、黒い双眸に浮かんだ。



意味不明なものに…モノローグ??
こ、こんなんでよろしいでしょうか〜
すみませ〜んっ(脱兎)
最後まで見ていただきありがとうございました。
真 拝


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あきゅろす。
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