番外編 05.3





外へ研修に出るのに、遅れて来るユルギス副隊長を街の正門で、あたしエーリルと褐色の先輩で待っている。


待ち時間を有効に使おうと、いや、話し相手になって貰うのに先輩にいろいろ問いてみたんだけど、


「そーゆぅのはなぁ、外出てから教えてやるよ」


なんて言われてしまい現在手持ち無沙汰。うーん。メモ帳しまおう。


「それは何処まで持って行くんだ?」


どうやらラピードと遊んだボールを指してるらしい。
捨てるのは勿体ないし、かと言って追いてこようにもタイミングを掴めずそのまま此処まで持ってきてしまってた。


「そこら辺に置いとけ。帰りに忘れず持ってけば良いだろ?」


それで良いなら――

人目に付かなさそうな物陰を探してそこに置く。
どうか誰かに捨てられませんように。
ラピードとまた遊ぶんだもん。彼、気に入ってたし。



「なかなか来ねぇなぁ。隊長に捕まってんな、こりゃ」


そうなんですかね。って、フレン達も外周りの研修なのに来ない。何やってんだ、ユーリのやつ。


「おぉ、そういや」


どしたんですか?


「お前、俺の名前覚えてないだろ」


え゛………
なんで知ってんですか?


「顔に書いてあったぞぉ」

うわぁ、そんないい暇つぶし見つけたみたいな笑顔で見ないで下さいよ。怒られるのも嫌だけど…


「エルヴィン。覚えてな。んで忘れそうならさっきのメモ帳にメモしとけ」


させて頂きます。
させて頂いてます、既に他の先輩が。
遠慮なく書かせて頂きます。エルヴィン――のっぽ、よし書けた。

ふぅ、これで後三人になったけど……なったけど………



「―――先輩!」

「お、なんだぁ?」


「実は後三人名前解らないので教えてください!」


「マジかよ」
「はい…。すみません…」

はい、マジです。
先輩静かに驚きました。
開き直って聞いちゃいます。
エルヴィン先輩話しやすいし。
開き直ったら楽しくなっちゃうんだよね。でも顔が楽しそうにしてても先輩の名前覚えられない事が失礼だって事は解ってます。


「あー、どれとどれとどれだ」


いやあのどれとかも覚えてないので…判る人から言ってっても良いですか?





04.5 --






これで全員名前呼べるわ!
エルヴィン先輩有難うございます。副隊長来ました。


あ、ユーリ達も一緒だ。





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ヒロインのセリフは実際口にしている言葉と頭で喋っているのと進行役なMIX!


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