名前を














朝、正門。

「卑怯番長」

「あぁ、おはよう金剛番長。何か用かい」

「いや、特に用は無いんだが」

「は?」

「すまん」

「……?ま、いいけど」




昼、教室。

「卑怯番長」

「んー?」

「……いや、用がある訳じゃねぇんだが」

「また?」

「悪いな」

「別に良いけど。何か悪いものでも食べた?」

「いや、普通だ」

「……君の普通ってあまり信用ならないなぁ」




放課後、教室。

「卑怯番長」

「はいはい、何」

「……何度も悪いな」

「…また用がない訳ね」

「……すまん」

「……まー、いいけど。じゃあまた明日」




数分後、正門。

「ひきょうば、」

「なーんでーすかー」

「…………」

「…そこ、僕が苛めてるみたいに見えるからあからさまに肩を落とさないでくれるかな」

「…怒ったか?」

「怒ってないけど、いい加減理由が知りたいかな」

「いや……その、な」

「うん?」

「…呼びたかっただけだ」

「…………へー」

「……怒ったか?」

「や、別に」

「そうか。なら良いんだが」

「……金剛番長」

「何だ」

「…………いや?」











呼びたかっただけ
(……そうか)
(…何、にやにやして。気持ち悪いよ)























傍から見ればバカッポー




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