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Quinciこれから

いったい、何がいけなかったんだろうか


『我ら双子の蜜蜂の誇りにかけて』

そう誓った後、忠誠の意を示すためにそれぞれ綱吉様の手の甲にキスをした。
その後の綱吉様は顔を真っ赤にして、さっきよりも必死になってリボーンさんに色々と問い詰めている。


「おい、テメェら…」


ふりかえると、銀髪の少年が腹をおさえながら自分達を睨みつけていた。


「なんや?」

「なんだじゃねえ。十代目に何を… お前ら何者だ」

「…人の名を尋ねる時はまず自分からという言葉をご存知ですか?」

「んだと…!」


「セレネ、この子がわたしの弟の隼人よ」

「あぁ、ビアンキの…」

「ぐはぁっ!!」



「…倒れてしまったけど、大丈夫?」

「照れ屋なのよ」




その後それぞれに名乗りあい、リボーンさんが自分達のことも詳しく説明してくれた。


「そんな! 護衛なんていらないってば!」

「二人はイタリアでも有名なヒットマンの弟子なんだぞ」

「そんなの知らないって! そもそも俺はマフィアなんかならないから!!」

「綱吉様」


そんな二人のやり取りに、不躾ながら口をはさませていただいた。


「貴方はボンゴレにとって…いえ、マフィア世界においてとても大切な方です。それゆえに敵も多く、今この場で殺されてもおかしくないような立場なのです」

「そ、そんな…」


信じられない、と言うように綱吉様はリボーンさんを見つめる。しかしリボーンさんはそれを無言の肯定でかえしていた。綱吉様の顔色がみるみる青ざめてゆく。


「しかしその確率を少しでも減らす為に、自分達がお側にいさせていただくのです」


そう言うと、綱吉様はもう一度自分に視線を合わせてきた。大きな栗色の瞳に自分の姿が映っているのがわかる。


「それに、もし綱吉様が危険な目に合ってしまわれたら、悲しむ方が大勢いらっしゃるはずです」

「あ…」

「その方々のためにも、お守りさせてはいただけませんか?」


しばらく考え込んでから、綱吉様はこくりとうなづいてくれた。それに私はありがとうございます、と微笑みかえす。

よかった。この方は自分だけでなく、ちゃんと他人のことも考えられる素直な方だ。下手に傲慢で守る価値もないような奴を守るのは、自分達も嫌だから…



「ということは、セレネ達はしばらくこっちで暮らすのね」

「そうなりますね」

「なら、セレネは私と同室がいいわ。いいでしょリボーン?」

「かまわないぞ」


それを聞くと、ビアンキは早速自室の片付けのためにと部屋を出ていってしまった。


「えっ、じゃあオレはどないすればえぇの!?」

「アルトは獄寺ん家に行け」

「「えぇ〜〜!!?」」


アルトと獄寺が同時に抗議の声を上げた。


「待ってくださいリボーンさん! なんでオレん家なんですか?!」

「ほんまや考え直して! 大体なんでよりによって悪童と…」


「「オレとコイツは無茶苦茶仲が悪いんです!!」」

「なに言ってんだ。息ピッタリじゃねーか」


リボーンさんがしれっと一喝した。


「テメエ! 人のセリフ取るんじゃねえ!!」

「アホか! 真似してんのはそっちやろ!!」


「これ以上ないペアだね…」

「十代目!?」

「自分も、二人は仲良くやっていけると思います」

「はぁ?! セレネまで何ゆって…」

「あはは、お前ら漫才コンビみたいだな」


「「山本は黙ってろ!!」」



こうして漫才コンビは結成(?)し、セレネとアルトの日本での生活が始まった。









***
姉同士、弟同士

20071119


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