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@melody

数日前からこの応接室で僕の使い走りとして働いている少女

名前を、月森 奏
最近並盛に引っ越してきた転校生


「・・・何?」

「何でも」


運命の出会いとは、ある日突然に起きるものなのだろうか。まぁアレを運命と呼ぶには大げさかもしれないけれど

僕にとってはそれくらい衝撃的だったから・・・




――・・・・

あの時も、いつもどうり目障りな群れを咬み殺して屋上の特等席、もといタンクの上で休憩をしていた。(今"お昼寝"とか思った奴、咬み殺す)なぜか、僕と草壁以外はめったに近づかないから静かなものだ。


けれど不意に、聞きなれた旋律が僕の耳に入ってきた。
その音の発信源を探るように携帯を見たのだが、やはり違った。この音は携帯のような電子機器が出せる音ではない。なんというか温かくて、優しそうで、聞いていて心地が良かった。

体を起こして辺りを見渡すと、あっさりその正体が確認できた。

そこにいたのは普通の女生徒

まあこんな場所で歌うたってる時点で普通じゃないかもしれないけれど・・・


そう考えながらその女子を見ていると、いつの間にか歌は終わっていた。

彼女も伸びをしたりして、帰る準備をしているようだ。
しかしその前に言っておく事がある。声を出すために身をのり出して、視線を彼女の顔に向けた。


「っ・・・?」


一瞬、時間が止まっていたような気がした。

しかし実際にそんなことは無くて、無常にも彼女はこの空間から出ていってしまった。


声をかける余裕すらなかった。
この僕をそんなにした理由
それは振り返った瞬間に見せた、とても悲しそうで、弱々しい表情

そのくせ瞳だけはまっすぐ前を見据えていた。


・・・珍しい草食動物もいたものだ

明日、少し怖がらせてやろう・・・



「草壁? 頼みたいことがあるんだけど」


そして翌日彼女は朝から、奇妙な体験をすることになる・・・







――・・・・

「あ」

「・・・今度は何」

「お茶が飲みたい」

あからさまに嫌そうな顔をする彼女。しかし諦めたように息を吐き、席を立った









***
「雲雀、茶っ葉がない」
「そう、じゃあ買ってきて」
「(自分で行ってこい…!)」

20080712


あきゅろす。
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