どっくん
※学園パロ
ここ最近ティーダは妙な感覚に襲われている。
隣の席の茶髪の優しげな少女と目が合う度に自分の心臓をぐっと掴まれたような、そんな苦しくも甘い感覚が何度も襲うのだ。
これといって彼女とは幼馴染みでもなく、ずっと同じクラスだった、ということでもなく、今年、高校2年になってから初めて顔も見て初めて話したのだ。
だが彼女と話していると酷く懐かしい気持ちになっていた。
ふわりと彼女が笑いかけてくる笑顔がとても暖かくて、ずっとその暖かさに触れていたいと思ってしまうほどにだ。
彼女の仕草、言葉、視線、その全部がティーダには暖かかった。
「おはよう。」
「おはよッス」
どっくん。
「今日は暖かいね。」
「ぽかぽかッス」
どっくん。
「次はなんの授業だっけ。」
「体育ッス」
どっくん。
「また明日ね。」
「じゃあな」
どっくん。
どっくん、どっくん。
彼女と話していると心臓が踊り出して自分にでも止められないくらい熱くなる。
(これは、なんなんスかね)
どっくんどっくんどっくん
ずっとこの鼓動は止まらない。
(どうしちゃったんスかね、オレ。)
そう考えながら目を閉じ、深い眠りに落ちていった。
次の日もその鼓動は止まらなかった。
はぁ、と溜息をつき、ちら、と横目で彼女をみると、ユウナもこちらを見ていたのか真っ赤になり目を逸らした。
どっくん。
まただ。
授業が終わりユウナに話しかけると気まずそうに彼女は苦笑いした。
そんな仕草にもどきりとしていたのだが。
「今日なんでオレみてたんスか?」
「え、えーっと…なんかその、気づけばみちゃってるん、だよ…」
かああ、と顔を真っ赤にしながらいうユウナにティーダも顔を赤くしてだまっていた。
どくん。
どくん。
どくん。
彼女に自分の鼓動が聞こえませんように、とティーダは願うばかりだった。
オレンジの夕日で照らされた頬は赤く染まっていた。
(わたし)
(なんで君ばかり見ちゃうんだろう)
どっくん。
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久しぶりのティユウでした
珍しくティーダくんとユウナちゃんが両想いじゃありません
でも結局両想いです
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