[携帯モード] [URL送信]
君は雪より優しく
※学園パロ バッツとティナが幼なじみ





「武器には色々と種類があって……」


只今授業中。
だがバッツは冬の寒さのせいか、暖房ですっかり暖かくなっている教室でうとうとし始めていた。
ジタンが隣で呼んでいる気がするが、もう意識は夢の中へ引き込まれそうだ。
ふとぼんやりしながら窓の外を見ると。
白くてふわふわしたものが空から降りている。

(うわー…綺麗だなー……)


そこでバッツの意識は途切れた。







あれはいつだっただろう。
故郷の村の前に女の子が倒れていて。
その女の子は珍しく幻獣と人間の間に生まれた子だった。



村人は珍しがる者もいれば嫌がる者も多く、その女の子は孤独だった。
そんな中、今日のような、雪の降っていた日、女の子は村の子供達に酷い言葉を投げつけられていた。



『お前幻獣の子供なんだろ』

『あっちに行けよ』


雪を観に外へ出たバッツは、ちょうどそれを目撃してしまった。
バッツは思わず女の子を庇おうと少年達の前に出ていた。



『おい、やめろよ!』

『バッツだってその子いやだろ?』

『ぼくは嫌じゃない!いじめたらぼくが許さないからな!』

『な、なんだよ』


キッと睨みつけると少年達は渋々いなくなりそこにはバッツと女の子が残された。


『大丈夫か?』

泣いてる女の子に手を差し伸べると、驚いたように、不安そうに、口を開いた。


『どうして助けたの……?』

女の子の言葉にバッツは太陽を思わせるような笑顔を見せ、言った。


『ぼくは助けたいと思ったから助けたんだ』

そのバッツの笑顔に女の子は不安で染められた顔に笑みを浮かべた。

『ありがとう…』


私の名前はー………








ちょうどその時、チャイムが鳴り響き、授業が終わりを告げた。
先生も去り、のびのびと欠伸していると、隣の席のジタンが苦笑いをしながら声を掛けてきた。



「なんの夢見てたんだよ」

「んー、ちっちゃい頃の夢だな」

「ちっちゃいバッツか、なんかあんま今と変わってなさそうだな」

「んなことないぜ、ほら身長とかさ」

「あー……うんそうだな、成長してるな!」


ジタンはそう言うとダガーの元へ駆け寄って行った。
そんな2人を見ていて唐突にティナに会いたいと思い、ティナがいるクラスへ足を運ぶ。
ガラ、とドアを開けると、ティナは嬉しそうに駆け寄って来た。



「バッツ、どうしたの?」

ふわり、とティナは微笑んだ。
そんなティナをみて、バッツも笑顔を返した。


「雪一緒にみたいなって思ってさ」

「雪……?」


その言葉に窓の外の雪を、ティナは静かに見つめていた。
ぼんやりと眺めるティナはあの時と似ていた。
そんな彼女と廊下に出て、窓の外を見つめる。
雪はとめどなく降っていて止みそうにない。
ふと、ティナが口を開く。

 
「バッツと、初めて話したのも、こんな日だったよね……私、嬉しかったな」

何かを思い出すように、でも、無理に笑顔を作ったティナの顔に胸が痛みを覚え、自然とバッツの手はふわふわな髪を撫でていた。
突然の事に驚きつつもティナは首を傾げていた。


「そんな悲しそうな顔するなよ、ティナはさ、笑顔のほうがいいぞ」


バッツの笑顔に、つられ、ティナも自然と笑顔になっていた。


「うん、わかったよ」



その笑顔は雪よりも優しく、彼の心に降り積もっていた。


この積もった笑顔は消えることなく、心の中に残っていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バツティナ


久しぶりの小説
あまり更新できてなくてすみません!
冬なので雪な話のバツティナでした

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!