short
mf-ROS
「よお。
じいさん、時雨。」
茶髪の髪をなびかせながら、背の高い青年がふすまを開き入ってきた。

「おお。おかえり。
わざわざ、調査の途中でここに戻ってくるなんてな。
なにかあったのか?」
年をとったおじいさんが、タバコを皿に押し付けると軌跡の方を振り向く。

「そうなんだよ。
なんか普通にやばいのを発見しちまってよ。

軌跡は襖をタンッと音のなるくらい強く閉めるなり、椎葉の前にあぐらをかくと、てに持っていた数枚の資料を椎葉に手渡した。

「…これは。
ティアラの実験データか?」
「の、特別破棄リスト一覧だよ。」
ニヤッと軌跡は笑う。

「どうしていまさらそんなものを?」
時雨が腕を組ながら部屋の端から言葉を投げ掛ける。

「じいさん。ここ見てみろ。」
軌跡が、資料の二枚目の一番下を指差した。
破棄理由。の欄である。
しかもそこだけ手書きである。

椎葉の目線が左から右へとなんども往復した。
「な。」
軌跡は椎葉の顔を覗きこむように笑う。
「椎葉さん、読んでください。」
話についていけない時雨が困ったように叫んだ。

「あ、ああ。
破棄理由。
肉体的、精神的、共に心身は良好だが、なぜか私の命令を聞かないようだ。
それは一番の失敗である。そして彼の能力はとても厄介だ。
そして破棄方法だが…
ブレイブブルーに放棄だそうだ。
その破棄に42人もの人間が死んだらしい。」
時雨は腕を解くと、驚いた顔でこちらに近づいてきて、椎葉から紙を奪った。

「ほんとにブレイブブルー…。
これってよっぽどってことだよな?」
軌跡はその言葉に頷いた。

ブレイブブルー…殺すことができないとき、一生帰ってきてほしくないときにつかわれる。

「それから能力っていうのが"ジャッジメント"。こいつが正義に反した、法をおかしたと思えば即死亡らしい。
戦いの強さに関係ないってことか?」
時雨が資料を椎葉に返しながら呟く。

「チートかよ。ヴァンとセイカとか瞬殺じゃねえかよ。」
軌跡はにやにや笑った。

「名前は、エム…mfーROS。覚えにくいな。」
椎葉は目を細めながら呟く。

「ブレイブブルーにまだいるかもしれないな〜。」
軌跡は腕を組ながら、声は陽気だが一切顔は笑っていない。

軌跡はちらりと紙の端に目をやった。
適性度SS。もしかするとゴーストよりもやっかいなのかもしれない。


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『ここはどこだ。私は誰だ…そうか私は一度死んだのだ。

…そうかまた私は時代に取り残されて行く。』



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あきゅろす。
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