SSWA

広間。
王の謁見の間である。
部屋の奥には大きな玉座があり、
そのまえにいくつか椅子とテーブルがおいてあった。
すでに椅子には夕飯でであっていた何人かの騎士が座っている。
左の椅子からアルヴァ、ナギサ、エージェントである。
「あれ?エージェント。
今日特訓でしょ?寝なくていいの?」
ランスがきょとんとしてエージェントに尋ねると、
「僕の心配なんてしなくていいよ。」
エージェントはにっこりと笑うと腕を組んだ。

キセキは手前の椅子三つを引くとランスを真ん中の席に誘導する。
ヒロは一番右。エージェントの前に座らされた。

「よし。じゃあさっさと始めようかな。」
ランスが後ろを向いて手招きすると、
すぐに紙とペンをもった使用人が走ってくる。

「ありがとう。」
ランスは前を向きなおすと紙をアルヴァとナギサに渡した。
「ヒロ。なんでこのメンバーなのかわかる?」
ランスはニコっとヒロにわらいかけた。

ヒロは黙って首をふる。
「これでわかってたらやばいっすよねー!」
キセキがフーッと息を吐きながら机にもたれ掛かった。
「うん。これは各隊の代表なんだよ。」
ランスはアルヴァを見てから、
「アルヴァは騎士の代表。」
そしてナギサを見てから
「ナギサはウェネス・アレグリアの代表。」
と言ってからきょとんとしているヒロをもう一度見た。
「ウェネスというのは、いわばシークレットサービス。極秘で任務しているんだ。
ウェネスの出動条件は
犯人などを殺してもいいとき。
それから、スラムでの暴動。
この2つだな。」
キセキはヒロにわかるように説明する。

「逆になんでここにヒロをつれてきたかわかるよね?」
ランスはアルヴァとナギサ、エージェントに微笑みかける。
エージェントは感心なさそうに椅子のうえで膝をたてた。
「騎士の候補ですね。」
ナギサはヒロを見ながらにやっと笑った。

「えっ!?」
その言葉に一番驚いたのはヒロだった。

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あきゅろす。
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