秘密会議
「寛人おきろ。」
ヒロは透き通った声にパッと目をさました。
(寝坊した?)
寝坊なんか滅多にない。
起こされるのがとても久しぶりだ。
「ごめん。朝か……」
ヒロが布団からゆっくり出ると、
まわりはまだ静まり返っている。
まだ朝ではないようだ。

「ごめんね。……ちょうどキセキも起きちゃったかな。三人とも服持ってとりあえず部屋を出よう。」
ランスは爽やかに微笑むとキセキもベッドの上をごそごそと動いた。

(キセキ起きてたのかすごいな。)

ーーーーー

ランナを起こさないように廊下にでるなり
「なんの冗談すかー。
早すぎですよ王子ー」
キセキはボサボサの頭を手で解きながら眠そうにいった。

「ごめんね。
王が動けないから、俺が色々決めないといけなくて。キセキも手伝ってくれるよね?」
ランスはお得意のキラースマイルでキセキに微笑みかける。
キセキは後方に怯むと、小さくため息をはいて頷いた。

「あとは……アルヴァとナギサに来てもらってるから。とりあえず広間に行こうか。」
ヒロはアルヴァという名前に顔をしかめつつもランスの後ろを追う。

まだ廊下の窓の向こうはまだ真っ暗である。

ヒロは昨晩のことを思い出した。
(この戦いに関わってることを後悔したのははじめてだ。)

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