もうひとつのミカミ

"英"と書かれたのれんをくぐると、ミカミの町の中にもうひとつ町があった。
「中はこうなってんだ!」ヒロはキョロキョロしている。

大通りにはきれいに化粧した女性たちが男性と楽しそうに会話していた。


シエルとヒロは女の人についていくと、一つの大きな宿につく。
「中に入って。」
中に入るとたくさんの女の人たちがせっせと動きまわっていた。

そのまま女の人についていくと、
「うわぁ。」
シエルは目をキラキラさせて辺りを見回した。美しい浴衣や着物がこれでもか、というほど並んでいた。

「貸すだけだし、なんでも好きなの着ていいよ」
女の人は明るくシエルを見ていった、








ヒロが衣装部屋の前で座っていると、目の前を通る女の人たちがみんなヒロを見て笑った。
中には
「あらぁ。あんたもお客さん?若いのに〜。」
と独特の口調で話しかけてきたりした。

(確かに、俺がここにいるのは変だよな。)
と少し汗がにじんでいく。


その時、
「見てー!」
とシエルが飛び出してきた。

シエルは赤い浴衣を着ていた。
「可愛いね」
ヒロがにっこり笑うと、シエルは顔を真っ赤にして、

「恥ずかしいことさらっと言うなー」
とヒロの足を蹴った。
「痛ぇっ!」
膝を押さえて跳び跳ねる。

「クスクス。」
……

「「うわあ!」」
2人の声が揃った。

2人の目の前には背が高くてスタイル抜群のみどりの着物をきた女の人がたっていた。
「えらいかわいらしい。」
女の人はシエルを見て笑ってから、
「食事していきません?」といった。


2人とも、ここまでしてもらうのは悪いと思ったが、もう用意ができていると聞いたので女の人の言葉に甘えることにした。




ーーーーーー

「あれ?」
女のこが辺りを見回した。
母親のあの女の人も首を傾げた。
「あの人だれだっけー、
新人かな…。」


奥へ向かう3人の背中を見ながらいった。



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