辺境の村、ミカミ


ガタンッ。

機体が大きく揺れた。

「うわっ!」



窓の外にちらりと目をやると、景色が変わっている。

機体が下がっているのだ。


周りに木々が見える。

『ついたぞー』







5人は飛行船からおりた。

「うわあ…」
アシェルの目が輝いた。


いままでとは全く違う。
…和の世界。

家の形。みんなの服装。
着物だ。
とにかく見たことがなかった。

「綺麗ねー」
シエルがうっとりして女性の着物を見つめた。

「ファ、ファンタジーだ」
アシェルは額に何故か汗をかいていた。



しかし、
町人の視線がこちらにくぎずけになっている。


こそこそ…


「あー。やっぱりね…」
ヒロが苦笑いした。


「どういうことだよ。」
アシェルがこそこそと聞くと、
「見てのとおり。
このミカミはあんまり世間に知られていないんです。
でも、俺たちがここにいる。
警戒されてますね。」

「じゃあ、捕まっちゃうんじゃ、」
するとヒロは首を左右にふった。

「ヴァンとランナとシエルはバレンチアの人間だから。」


にっこり笑った。

「「「どういうこと?」」」
3人の声が揃った。


するとヒロは
「ここには5年前までバレンチアを作った人が住んでいたから。」


みんな眉をひそめた。

「バレンチアが完成したのは20年前。
でも、移住やらなんやらで時間がかかったみたい。
完全に移住し終わったのが5年前、」


ランナは目を大きくして、
「僕は知らないわけだ。」




「しかし少し違うなぁ」
知らない声。
振り向くと、髪を後ろで束ね、腰に刀をさした長身の男性が立っていた。



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あきゅろす。
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