なんで僕が

「んっ…。」
ランナが目をこすった。

「よかった…」
医務室(ランナの部屋)のベッドでヴァンクールを寝かせて、ソファの上でランナを寝かせていた。

ヴァンクールが太陽の力を使ってから10分後くらいにランナが目覚めたのだった。

ランナは寝ぼけたようにヒロを見た。

じー。
「…大丈夫?」

するとランナの目がこぼれるくらい見開かれた。


「お前も騎士か…!」
ランナの顔はとても怯えていた。
そしてソファの端に後退りした。


「あっ!違うよ違うよ。
俺はヒロ。ヴァンの仲間だよ。」

「ヴァンの…?」
ランナはキョロキョロして辺りを見回した。
ベッドの上でヴァンクールが寝ているのを見つけ安心したようだ。


「僕の傷は…。」
自分の血のついた服や、壁についた血をみてから腹をさわった。


ヒロが暗い顔をしてヴァンクールをゆびさした。
「実は…太陽の力。」

するとランナは急にすごく悲しそうな顔をした。


「なんで僕なんかを助けたんだよ!」
ランナは急に泣き出した。

「太陽の力を使ったらヴァンは死んじゃうんだ!
なんで止めなかったんだよ!」


「きっと君がヴァンの守りたい人だったんだよ。」

ヒロの言葉をきいてランナは左右に首をふった。
「僕じゃなくて、フェアリーさんやアルフさんを助けるべきだろ!」


(もう2人は死んでるから。)
なんて言えなかった。


「なんで僕なんだ…。」


ヒロは泣きじゃくるランナに目をふせて、
ヴァンクールをかついだ。

「…どこいくの」
ランナは顔を上げてヒロを見た。

「アシェルさんとシエルのところに。君も来た方がいい。」

ランナは立ち上がって猫のムーを抱きかかえるとヒロについてきた。


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