ブリッジ

その頃、
アシェルとシエルは居住区のホームに来て、電車の緊急呼び出しボタンを押した。


「さっきの暴走電車みたいに脱線しないといいけど…」
シエルはかなり心配そうにして、鎌の刃を撫でていた。


「ああ。それは保証できんよな。」
アシェルも頬をかきながら「はは…」と苦笑いしていた。


「そういやさ!」

「何?」
シエルは少し首をかしげてから
「騎士が今回の犯人だったならヴァンが死んだら困るんじゃないの…?」

(そういえば。
あれは殺す勢いだったもんな。)
『樹の能力なんていたかな…?』
フレイルは騎士の中から探してみるが知ってる能力のうちではでてこない。

『まっほとんどみんなの力なんて知らないんだけどね!』
フレイルはケロッと微笑んだ。
「なんじゃそりゃ。」
アシェルは微笑んだ。


じとー。
「えっ。なんだよシエル…」

シエルがじと目でこちらを見ていた。
「口に出してフレイルとしゃべったら気持ち悪いって、」

「えっ!…口に出してたのか…」
自分でも気付かなかったようだ。


(気をつけないとな…)
また苦笑い。



すると光が見えた
「電車来たね〜。乗る…?」
シエルはニヤニヤしながらいった。


するとアシェルが
「そうだ!」とポンと手を叩いた。

「電車の上に乗ろうぜ!」


「たしかに。そしたら脱線しても大丈夫だよね。」
(あたしは汚れるのが嫌なんだよな)

仕方なく二人は電車の上によじ登った。



「うわ!きちゃねぇ」
すすや埃まみれの電車の上は本当に汚かった。








5分後
たいして脱線や樹に襲われることもなく、ブリッジについた。



2人は電車から降りて辺りを見回した。

「あぁ…」
シエルが嘆いた。
知ってる顔の仲間たちが無惨な姿で横たわっていた……。


ゆっくり奥へ向かう。
アシェルがシエルの顔を見たとき、シエルの目には涙と怒りの炎が灯っていた。

前来た時と同じ明るさなのに、似つかわさない光景。

2人はメインシステムの扉をあけた。


扉は音もなく開いた。






コツコツコツ

シエルはキョロキョロしながら少し早足で進んでいく。


メインモニターの下に人の影。
「フェアリー、アルフ?」

こうなっていることはわかっているつもりだったのに、いざ目の前にしてみると…

「フェアリー!アルフ!」
シエルは二人に駆け寄る。


「!」
ーーっー
アシェルの頭に電撃が走ったような気がした。

「シエル!誰かいるぞ!」

シエルはおもいっきりアシェルの見た方に鎌をふった。

ビュッ
ズゴンッ

風の鈍い音。
壁が崩れる。



壁の暗がりから影が見えた。

「私が殺したんじゃないからね。」
黒くて長い髪の女性だった。



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あきゅろす。
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