ティアラ

〜アストラシア〜
手早く運賃を払って外へ出た。
「まず!」
ヴァンクールが大きな声でニコニコしながら言ったから3人はすぐにヴァンクールを見た。
ヴァンクールは手招きする
「俺のことは陸と呼べ。」
急に小さな声で言った。



3人とも理由は聞かずうなずいた。




アストラシアはカサハラに続いてアシェルにとってのthe国だった。

「静かな国よねー」
シエルはにっこり微笑んだ。

「ゆっくりしてられないから」

ヴァンクールはすたすた歩いていく、それに3人はついていった。


ヴァンクールは小さな家の前で止まった。
チャイムをおす。
ピーンポーン


パタパタとスリッパの音が聞こえる。


―ガチャ
「いらっしゃい。って
ヴァンクールじゃない!」なかなか背の高い女の人。髪を低い位置で2つにくくっている。


「この人はティアラさん。」
ヴァンクールが手を伸ばして3人に紹介した。
ティアラはヴァンクールの全身を見て、すぐに納得したようで。

「はいって。」
3人を招き入れた。




部屋の中のベッドにヴァンクールを寝かせると、
大きなツボを持ってきた。
「おれが持ちます。」
「ありがとう。」
とっさにヒロが走っていって、持つのを手伝う。


「その水をこの子にかけて、」
ヒロは少し目を大きくしてからうなずいた。
「わかりました。」


バシャッ
大量の水がかかる。
ヴァンクールは目を固くつぶっていた。


「ありがとう。多分もう大丈夫だ」
ヴァンクールはムクッと起き上がった。

「ヴァンクールは傷の治りが早いから。大分良くなったよね。」
ティアラがにっこり笑った。

「シエルも少しもらっとけ。」
ティアラが少し小さめのツボを運んできて、バシャッとシエルにかけた。
シエルはぽかんとして
「この水なんなんですか?」


「傷の治りを早くする水よ。量に限りがあるけどね」
ヴァンクールに何故協力するのか、アシェルが聞いてみると


「ヴァンクールは命の恩人だし、死なせたくないからね。」

「この町に一回セイカが来たんだ。」
とヴァンクールがつけ加えた。



みんなヴァンクールには死なれたくないんだ。


アシェルはヴァンクールの赤い髪を見て思った。
「太陽の力ってそんなにすごいのか。」



するとヴァンクールが
「飛行船借りに行くぞ。」

ティアラの家にはいって約10分。ヴァンクールは焦っている…




[*前へ][次へ#]

8/24ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!