狂った世界
※アシェル目線

すごくびっくりした。
泣きそうだった…



29日12時の国内放送、
「今日は期待の騎士。フレイル・ストランシー20歳の誕生日。実はこの方の心刀を決めたいと思います。名前を呼ばれたらカストレ城にすぐ来てください。」

ぼーっとしていた。
窓の向こうから「わー!」という歓声が上がっている。何が嬉しいんだろう…

「6番地、5ー3…」
近所か…
「24ー6」
血の気が引いた。




「アシェル・フレデリック」

その瞬間、勢いよく玄関扉が開く。

「おめでとうございます。」
俺はただ呆然としていた。入ってきたスーツの男3人に腕をつかまれる。
俺はただ呆然としていた。
俺は…

そのまま町から城下町にエレベーターを経由して連れていかれ、
「おめでとう!!」
「この国の誇りだ!」
「強そうな人!」
俺が城下町の大通りにさしかかった時から、このような言葉が俺の頭上を飛んだ。

俺はこの状況に耐えられなくなり、
「…だ」
「どうしました?アシェルさん」
心配そうに男が尋ねてきた。「嫌だ!」


すると、急に男の表情が変わる。
「非国民か?殺すぞ。」
俺だけに聞こえる完全なる脅しをくらった。
俺の発言をきいて、まわりの女どもがざわつく。


俺は心刀になる、という一番嫌だったやり方で一生を終えるんだと思った。




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