霞色の刀、…


アシェルとヒロは警察に適当に話をしたあとヒロの家に来ていた。
ヒロの家は2回目だ。

「すいません。
アシェルさん
ここに来てもらったのはお願いがあるからです。」
ヒロの家はかなり広い方で2階のヒロの部屋の隣の部屋の前に来ていた。

「なんなんだ?」
アシェルは部屋の前でヒロに尋ねた。
するとヒロはなんの前触れもなく扉を開いた。
ギィー。
かなり古い扉の音がなる。
その部屋は薄暗くていかにも誰も入っていないような雰囲気をかもし出していた。

「汚くてすいません。」
ヒロについていく。

部屋の奥でヒロは止まった。
そして少しアシェルの顔を見てから指をさす。

「刀?」
その一本の刀はその部屋のどんよりした雰囲気にのみこまれまいと黒色の鞘をかろうじて輝かせている。

ヒロは刀を強引に手にして埃をはらう。

「ごほっごほっ」
アシェルは目をつむって咳をした。
「あっ!あぁすいません。」
ヒロは少し照れたみたいにあやまった。

「この刀はうちにずっとおいてある『華』という作品名の刀の1本です。
これは神剣『霞』という紫色の刀ですね。」
アシェルはその美しい刀に目をやってからヒロを見た。

「アシェルさん…
俺も連れていってくれませんか?」
ヒロの目は本気で、
アシェルははじめはびっくりしたが
「いきなりどうした?」
と尋ねた。
あまりにも唐突だったからだ。
「俺は父に会わないといけません。だからカストレが最終目標の皆さんと行動を共にしたいんです。」
アシェルはヒロの目を見つめた。
左右の異なる輝きを放っている瞳を見て

「わかった。
ヴァンクールに言いに行こう。」

アシェルは静かに微笑んだ。



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