許さない。

「俺を殺さないのか?」
左側にいるヴァンクールを見ないで晴輝は聞いた。


「…俺は人を殺しに来たんじゃない。」
ヴァンクールは静かに呟いた。


「なあ。マリはお前の心刀なのか?」
晴輝はヴァンクールを見て言った、少しナイフが首に当たって血がでた。

ヴァンクールは少し待ってからうなずいた。

「じゃあ、マリに今話しかけたら聞こえるのか?」
その質問にもうなずいた。

晴輝は少し目を見開いて
「マリはそこにいるの…」両目に涙をためて微笑んだ。


「俺。…」
晴輝が話そうとしたとき
パンッ

音がなった。
(なんの音だ?)
ヴァンクールがそう思ったとき、晴輝が倒れて、ヴァンクールが膝から崩れた。

『えっ…』
「えっ?」
ヴァンクールは晴輝を見てから自分の右の足の付け根を見て、やっと自分たちの状態に気がついた。

晴輝は仰向けに倒れていてピクリとも動かない。
血が右胸から溢れていた。

ヴァンクールは付け根から血がでている。
『ヴァン…晴輝は。』
マリが震えた声で呟いた。

『晴輝は何を言おうとしたの!』
マリが泣きながら叫んだと同時にヴァンクールははっとした。

そして心刀マリをだして晴輝を抱えて物陰へと走る。

すると声がした。
「音が聞こえたときには死んでいる。
それが私の武器。」


(やっぱり…)
物陰から声のした方を見る。
ピンクの髪の毛の少女。


『イクサ!?』

どうして騎士が…?




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あきゅろす。
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