校内戦争勃発

学校に行きながら、ヴァンクールはふといった。
「俺、眼帯が邪魔になるかも…。」
片方の目が隠れているから立体に見えにくいらしい。
「いざとなったらはずしちゃうよ。」
ランナに怒られるなぁ。
と付け足した。

「俺今日は表彰されるから、杏理を頼みます!」
ごめん。という手をしてヒロが言った。



アシェルと松本杏理はシエルとヴァンクールと別れてから教室に入る。

騒がしかった教室が急に静かになった。
「生きてるよ、」
「無事だったんだ。」
いいこえも悪いこえも松本杏理は下を向くしかなかった。

すると
「杏理!!」
中畑緑だ。
「昨日はごめんね。
大丈夫だったんだ。
もう大丈夫になったんだよ!」
すごく嬉しそうだ。

本当にそうなのかもしれない。
こちら側に能力者が多すぎて、諦めたのかも…。



「杏理!!朝礼があるから行こう。」
中畑緑は松本杏理の手をひいて体育館へ向かう。

それを見守っていると
「大丈夫だったんだな!」
悟史がポンと肩に手をおいて言った。
「ああ。終わりだったらいいな。」
今日なにもなかったら帰るのだろうか。


でも…少なくとも能力者は学校に3人いる。
もし犯人が能力者ならすんなり引き下がってくれるのか?


「おい!空。
だるいけど朝礼いくぞ。」今時朝礼とかあんのかよ


アシェルは悟史と体育館に向かった。


かなりの人数が体育館に集まっている。
寒いしだるいし…
「今日はなんなんだ?」
「校長話長いんだよ!」
愚痴の嵐。


「静かに!!」
校長が話しだした。
「事件をなくすには…」

事件の話をずっとしている。今までの犠牲者は2人だとか。能力者を見ても騒がないとか。
約15分…

みんながピークに達したとき、話は終わった。

「続いて表彰伝達です。」うわぁ…
最悪のパターンだそうだ。

ヒロが堂々出てきて、紹介される。
「芳賀寛人君は陸上のカサハラ大会で見事走り高跳び銀賞です。」
パチパチパチパチ
拍手がおくられた。
そして校長が「おめでとう」と言って表彰状を渡す。

その時、時間が止まったような。校長の目の前からヒロが消えたのだ。





ドンッ



アシェルは目を疑った。
体育館の舞台上が爆発した。
ものすごい爆風で飛ばされそうになる。


「キャー」
この声で我に返ったアシェルは周りを見回した。
「松本さん!」

アシェルよりは少し前で怯えている松本杏理を発見する。
「大丈夫か!」
松本杏理は震えながらかろうじてうなずいた。


ーその時、
ピンポンパンポン。
放送の音。

周りの声で聞こえにくい。かろうじて震えながら話す女子の声がした。
「い、いまから。
カサハラ学園。サバイバルゲームを始めます。

能力者以外が体育館から出れば死にます。」

「いやよお!」
と女子の泣き叫ぶ声がする。


するとさっきの女子とは違う男の声で
「爆弾はボマーを殺せば解除される。15分に一人殺してくからね…スタート!」

校内戦争、始まってしまった。




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