杏理

窓から声のした方を覗く。
一人の少女が倒れている。
「杏理!?」
ヒロがびっくりして教室から出ていった。
「ま、待て!」
俺もあとを追った。


松本杏理は運動場の隣の小道で倒れていた。
周りにはたくさんの生徒が遠くから見守っていて、松本杏理の隣には中畑緑が泣きながら座っていた。

「おい。杏理!」
松本杏理をヒロは揺さぶる、俺は中畑緑に事情を聞いた。

「私に野球のボールが飛んできて…。杏理が」
中畑緑はしたを向いている。
すると
「空!」
ヴァンクールの声。そして耳打ちされた。
「この女が能力を使ったんだ。場所が入れ替わった。」

松本杏理が能力者?

すると遠くから
「緑ー殺されるよ!」
「陸!関わるな!」
などひどい言葉が飛び交う。

「これがシエルの言ってた。」
そう、能力者だってバレたら殺される。
するとヒロが
「杏理を殺すなら、俺が相手を殺せばいい。」
と小さい声で言った。

「まさか、お前も」

「緑。お前は離れろ。
俺たちにかまえばろくなことにならないから。」
中畑緑は少し悲しそうな顔をしつつも黙って頷いた。

「おい。空、どうする?」ヴァンクールが聞いてきた、少し考えてから
「俺はこの2人につきそうから、」
ヴァンクールは頷いて、走って行った。

「アシェルさんも!!逃げて下さい」
ヒロが焦った顔で言った。

「いや、俺も手伝うよ
俺の目標はその能力者事件について絡むことだから。」

ヒロが驚いた顔をして
「あ、ありがとうございます!」
感謝された。


この事件が能力者の仕業ならいいんだが。




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あきゅろす。
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