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「きゃあーーー!」
ブレイブルーから見れば、すっかり廃墟のような風貌であるロストエデンの入り口から突然カレンが降って来た。
カストレの戦闘機の右翼の上にいたアシェルは操縦口の上に走り、落ちて来る青髪を受け止める。ドスンッとガラス窓に尻餅をついた。
「カレン。無事か!」
アシェルは操縦口のガラス窓にもたれかかりながら腕の中の青い髪をかき上げると、美しいカレンと目が合う。
「アシェル。私。」
アシェルはカレンを抱きしめ、ロストエデンに目をやる。ロストエデンは来た時とは全く違うものになっていた。青い水や緑の苔は無くなり、時間が経って少し薄汚れたしろい石材の廃墟が空に浮いている。
「死んだのか。」
アシェルは腕の中のカレンを抱きしめながら問いかける。
「いいえ。眠ったわ。」
アシェルはカレンの瞳を見て驚いた。グリーンの瞳が一瞬エメラルドグリーンに光ったのだ。
アシェルは一瞬で理解した。フェリーチェはカレンを選び、四大能力の創造の力はカレンの目に宿っている。

「皆様中に入ってください。カストレに戻りますよ。」
エースが操縦席からアシェルとカレンに声をかけた。アシェルは頷き、戦闘機の中に戻る。
エースが全員の着席を確認すると、機体のエンジンをかけ、ゆっくり旋回した。
死んだロストエデンをゆっくり背にし、どこからでも見えるカストレの黒い塔へ機体を向ける。

(フェリーチェ。この力で必ず。アシェルを守るわ。)
カレンはロストエデンから目を離した。

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あきゅろす。
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