夢を見る島
「着陸します。といいましても止める場所がございませんので、外で待たせていただきます。」
エースはほとんど遺跡のようなロストエデンの壊れた階段の下に機体を寄せた。
ほとんど同時期にカレンとミンティアが目を覚ましたが、シエルだけはなかなか目を覚まさない。ヴァンクールはひょいと心配そうに抱えた。
「平気か?」
アシェルはカレンに問いかけると
「ええ。でもここにはすごい人がいるみたいね。」
と意味深な回答をした。
「え。過去を見たんじゃないのか。」
アシェルは眉間にシワを寄せて問いかける。キセキ、ヴァンクール、アシェルの三人は一番恐ろしいものを見ていたはずなのになぜかカレンは他のものを見ていたのだ。
「いいえ。私はこのロストエデンの彼女の見ている世界を見せてもらっていたの。」
カレンは辛そうにしながら先に機体から降りる。続いてアシェルが降りた。

ここは日差しが強い気がする。空も青く流れる水も真っ青。遺跡の中心に針がそれぞれ進むスピードの異なる何本もある大きな時計がある。
「綺麗なところね。全てが青い。こんな世界はじめて。」
カレンは青い髪と赤いリボンをなびかせながら階段を上っていく。それに続いてキセキ、ミンティア、ヴァンクール、アシェルと続いた。
カレンが階段を登りきって石のアーチをくぐった瞬間。
「はっ!」
周りの景色が一瞬にして変わったのである。先ほどまでは所々がボロボロになった遺跡だったが、城の中のような雰囲気になった。
「お疲れ様です。」
それに加えて人気が全くなかったのに、目の前に青い綺麗な衣装をまとった従者が現れたのである。
「ひ、人の気配なんて一切なかったわ。」
カレンは驚いたように辺りを見回した。


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あきゅろす。
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