ブレイブブルーの怪物
「全員のりましたか?」
エースが先頭の座席に座って後ろを振り返った。
「大丈夫だ。」
アシェルがまわりを確認してから返答すると、エースがありがとうございます。と微笑んでからエンジンをかけた。
独特のエンジン音はせず、驚くほどに無音である。
「最新だなあ」
キセキが感心したようにキョロキョロしている。
「では!いきますよ。最初は揺れますからしっかり捕まってくださいね!」
エースは一気にレバーを引いた。
さすが乱重力に耐えるほどの機体だ。景色が驚くほど移り変わっているのにあまり進んでいる感覚がない。
「ブレイブブルー入ります!」
エースが声を上げた瞬間、一気に景色が移り変わった。しかしアロンダイトに乗っていたときのように体の浮くような無重力感はない。
「最新だなあ」
今度はミンティアが窓の外の本物のあおぞらを見ながらのほほんと言った。
そのとき
「ちょっとあれ!」
シエルが窓の外を見て叫んだ。窓の外、遥か遠くだが何かがいる。しかもこちらに向かってくる。
「もう来たのか!」
と叫ぶと同時に機体が傾いた。
「きゃっ!」
カレンの近くの窓に何かが張り付いたのだ。
正真正銘の化け物。顔を包帯を巻いており、隙間から赤い目がぎょろりと覗いており、口からはみ出るほどの鋭く大量の歯。体は全体的に黒く、裂けた胸を乱雑に縫い止めてある。
エースが咄嗟に後ろを振り返ると
「揺れます!」
そう言った瞬間、機体が回転した。


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あきゅろす。
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