貪欲


ーーーーー
「ねえ〜サラバ
わたしほしいものがあってね……」
耳のしたでツインテールにした女性ティアラはくるくるとレンチを回しながら呟いた。

ティアラを肩に乗せながら骸骨は無表情でティアラの方を見た。
「あの能力ほしいな〜。
だってあれ使ったら、いつでもロズに会いにゆけるよ。
あっそうだ!」
ティアラはレンチを放り投げるとゴーストの肩からおりると嬉しそうに手を叩いた。
「彼が死んじゃうまでに改造してわたしのものにすればいいんだ!」
しかし、その瞬間先ほどの嬉しそうな表情が曇った。
ゴーストのせなかにもたれながら、ツインテールを触る。
「わたしってこんなに性格悪かったかなあ……ファルクスカンパニーを三人で作ったときは、ただの研究員だったでしょう?
あのときは夢のために必死だった。
でも自分達で頑張ってた。
今みたいに他人の命に頼らなかったよねえ。」
ティアラはチラッとゴーストの顔を見た。
相変わらず無表情な骸骨である。
「もー!なにかいってよ!」

ティアラは諦めたようにため息を吐くと
「考えが変わった瞬間エージェントに見放されたよねえ。
エージェントはわたしの作品壊すつもりだよ?
それからわたしのことも壊すつもり……。」
ティアラは床に落ちたレンチを拾い上げた。
「あーあ。
わたしエージェントに言われたの。
『すくなくともお前はすぐ壊される』って……。
エージェントのいうことは絶対なんだよねえ。サラバがゴーストになっちゃっこと全然驚かなかったし。」
ティアラは無表情で俯く。

「もういいんだけど、
とにかく彼に会いたいなあ。
そしたら悔いなく死ねるんだけど。
サラバ、頑張ろっか!」
ティアラはゴーストの背中を思い切り叩いた。ガンっと音がなったがゴーストは無表情でティアラを見ていた。

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