水と風
カレンに連れてこられたのは地下である。
窓は一切なく、なにもないだだっ広い部屋。
真ん中に大きなリングがあり、周りにはたくさんの観覧席だ。

「ここは第二部隊が使っている地下闘技場よ。
本当は入ったらいけないけど、今日は許可とってるから。
っていうか、わたしくじでここになっちゃったのよねえ。」
カレンは困ったように笑いながらリングに上がった。
シエルもカレンに続いてリングに上がる。

「ねえシエル。
あなたが魔法がとても得意なのは知っているわ。
でもちゃんと心刀はつかってる?」
カレンはそういうと腰から細剣を抜いた。
「これからの戦い。魔法だけじゃやっていけない。」

シエルは黙って大鎌を出した。
「あたしこれだけじゃ戦えない。」

「そうね。あなたの体にその鎌は大きすぎる。
どうやったらその鎌を生かせるか考えてみて。
私は逆だった、いままで剣の練習しかしてなかった。
自分の能力は知っていたのにまったくうまく使えなかったの。
でも得意な剣にまぜて使ったら変ったわ。」
カレンは細剣をシエルに向けた。

「っ!!」
よくみるとカレンの細剣を水がつつんでいる。
「水ってすごいのよ。
いくわよシエル!!」

シエルは鎌を構えた。

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あきゅろす。
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