特別講師

「選べって言われてもね。」
ランナが不満そうに言う。
戦いにも相性があるのだ。

「あー。みんな知らないもんね……。
エージェント……分けてくれる?」
ランスはエージェントの方を向いて微笑んだ。エージェントはムクッとしながらも、後頭部に手をのせてから、じっと机上の一点を見つめる。

「えー……。
ランスとヒロはまあ決定なんでしょ?
じゃあ……アシェルはハンク……。」
その瞬間、ハンクがアシェルの方を見た。厳密に言うと髪かもしれない。

「サギリはウェルテス。……あのシエルって女の子はカレン、……ランナは騎士じゃないけど椿。」
その瞬間、ヴァンクールやヒロ、そしてランナの顔つきが変わった。
ランナは椿と契約してしまっているのだ。

今後殺しあうであろう相手とトレーニングするなんて考えられない。

「なに?異議あり?」
エージェントがスッと目をランナに向けた。
「エージェント。なるべく避けたいんだが……。」
ヴァンクールが拳を握りながら睨み付ける。
エージェントはぼんやりヴァンクールを見つめてから、下をむいているランナに目を向けた。
ランナ本人も医者である椿にトレーニングしてもらうのが一番効果的であることはわかっているようだ。

「心配なんだね。わかった。
椿がランナを殺したりしたら、僕が椿を殺す。ランナが椿を殺したら、僕がランナを殺す。」
エージェントがランナの方を見ながら、「これでいい?」と付け足す。
ヴァンクールは心配そうな顔でランナを見ると、
「大丈夫。わかった。」
と震える声で呟いた。
(こうしないと……治癒力は上がらない。)
ランナはヴァンクールに大丈夫。とにっこり笑いかける。

「それからヴァンクール、お前とボク。」
エージェントは全く光の射さない瞳でヴァンクールをみながら指をさした。


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