再会

「ほら。この部屋が女性たちの部屋だよ。」
ランスはさきほどのキセキの部屋と同じ装飾の扉を指差した。
「わざわざすまないな。」
サギリが申し訳なさそうに下を向いた。
騎士の部屋が密集していることから、この城のこの階が騎士団の部屋が集まっている階なのであろう。

トントン。
ランスゆっくりと扉をノックして、
「私だ。ランスだ。」
と声をかけた。
「はい!ただいま!」
中から数秒とたたないうちに返答が返ってくる。
「……?」
『カレンだね。』
アシェルは聞きなれたら声にぞっとした。
旧ミカミで出会ったときはカレンを騙して逃げ出したようなものだ。どんな顔をして会えばよいのか……なんの準備もしていない。

ガチャッ
「王子こんにちは。いかがなさいました?」
扉が開くと、サラサラの青い髪をリボンで縛った美しい女性。カレンが現れた。
「今日はカレンの部屋にこの三人をとめてほしくてね。」
ランスは後ろを振り返りサギリ、ミンティア、ヴァンクールにおぶられたシエルを順番に指差した。
「大丈夫ですよ。……って、えっ!あなたはヴァンクール……だったら……」
途中まで冷静に返答していたカレンはびっくりしてヴァンクールを見つめたあと、扉の後ろをのぞきこんだ。

「あ、アシェル……。」
扉の後ろには「あちゃー。」といった表情を浮かべているアシェルがいたのだ。
「よ、よお。」
カレンはアシェルを見るなり顔を真っ赤にし、アシェルは逃げるようにランスの方へにじりよった。
「な、なんで逃げるの!」
カレンはいまにも泣き出しそうな顔でアシェルを見つめる。明らか、さきほどまでの態度と違う。冷静さが失われたようだ。

「なんだ?二人は知り合いなのか?」
ランスはきょとんとして二人を見つめた。

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